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イールドスプレッドで8月3日の米国株市場を先取り!

2022.08.03

 

★NY株式市場では、主要3指数とも全てで続落する展開になった。ペロシ下院議長の台湾訪問を巡る中国の警告を受け、米中緊張の深刻化を警戒した売りに寄り付き後は下落した。その後、ペロシ議長が問題なく台湾到着との報を受け、安心感から買戻しが強まり、下げ幅を縮小した。また、ハイテク株の買戻しが下支えとなった。しかし、数名の連邦準備制度理事会(FRB)高官が講演やインタビューで、国内経済が景気後退には陥っておらず、高インフレの抑制が依然必要だと、9月連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.75%の利上げも除外しなかったため金利が急伸すると売りが再燃し、下げ幅を拡大し終了した。一方、長期金利は、ペロシ米下院議長の台湾訪問で、米中間の緊張が激化するとの懸念から買い(利回りは低下)が先行したものの、米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言が伝わると、FRBが利上げペースを緩めるとの見方が後退し一転売り(利回りは上昇)が優勢となった。  今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅上昇した一方で、主要三指数が続落したものの、イールドスプレッドは主要三指数は全てで縮小した。そのため、割高感が強まる展開になった。割高感が強いことから上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は22.84から23.93へ上昇した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.235%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/7/20-▲2.073%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月1日:▲2.370%⇒8月2日:予想▲2.252%(前日比で縮小:割高)

 

8月2日のNYダウが続落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.235%から▲0.983%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.974%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.850%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.289%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.765%下回った。NYダウは、ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、米中間の緊張が高まったことや、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官から利上げについてタカ派的発言が相次いだことが嫌気された。NYダウは終日マイナス圏で推移し、402.23ドル安(-1.23%)とほぼ一日の安値で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月1日:▲2.748%⇒8月2日:予想▲2.605%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.169%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.264%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.397%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.574%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.894%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.617%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.737%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/7/20-▲0.769%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月1日:▲1.024%⇒8月2日予想▲0.850%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.737%から▲0.887%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.329%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.533%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.648%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.953%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.244%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇した一方で、指数は続落したものの前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.8%台半ばと割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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