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イールドスプレッドで7月28日の米国株市場を先取り!

2022.07.28

 

★NY株式市場では、主要3指数とも全てで大幅反発する展開になった。主要ハイテク企業の決算で、見通しが警戒されたほど悪化せず、投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。また、上院が520億ドル規模の半導体産業支援法案を可決し、半導体不足問題の解決が今後の増益に繋がるとの期待にハイテク株にさらなる買いが広がり一段と相場を押し上げた。その後、連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り高インフレ対処で2会合連続で政策金利0.75%の追加利上げを決定した。サプライズなく買いが継続したほか、パウエル議長が消費や雇用の減速を認識、今後の利上げのペースを巡り慎重な姿勢を示したため金利が低下、引けにかけて買い戻しに拍車がかかった。一方、長期金利は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に債券買い(利回りは低下)が先行した。FOMC後にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今後の利上げペースについて慎重な姿勢を示すと買いが加速し、利回りは一時2.71%台まで低下した。ただ、引けにかけては急速に伸び悩むなど荒い値動きとなった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利は低下した一方で、主要三指数は大幅反発する展開になったことで、イールドスプレッドは主要三指数は全てで縮小した。そのため、割高感が強まる展開になった。そのため、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレが高止まりしている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.69から23.34へ低下した。VIX指数は20台で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.237%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/7/20-▲2.073%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月26日:▲2.437%⇒7月27日:予想▲2.382%(前日比で縮小:割高)

 

7月27日のNYダウが大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.237%から▲0.855%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.844%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.720%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.159%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.635%下回った。NYダウは、決算が好感されたハイテク・ジャイアントの上昇に加え、積極的な金融引き締め継続や景気後退(リセッション)への過度な警戒感が後退したことでセンチメントが大きく改善した。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り政策金利が0.75%引き上げられた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で9月FOMCでも0.75%の利上げの可能性があるとしながらも、利上げ幅はデータ次第だとした。また、足もとの米国経済はリセッション入りではないとの見方を示した。NYダウは上昇してスタートすると、パウエルFRB議長の記者会見後に574ドル高まで上昇し、436.05ドル高(+1.37%)で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月26日:▲2.852%⇒7月27日:予想▲2.724%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.005%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.145%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.278%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.455%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.775%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.498%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.738%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/7/20-▲0.769%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月26日:▲1.145%⇒7月27日予想▲1.006%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.738%から▲0.732%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.173%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.377%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.492%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.797%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.088%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下した一方で、大幅反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.0%台前半で推移していることで、割高感が継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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