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イールドスプレッドで7月22日の米国株市場を先取り!

2022.07.22

 

★NY株式市場では、米主要三指数は全て続伸する展開になった。週次新規失業保険申請件数が予想外に増加したほか、7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や6月景気先行指数が予想外に悪化したため、景気減速を懸念した売りが先行し、寄り付き後は下落した。バイデン大統領が新型コロナウイルス検査で陽性症状との政府公表を受け、警戒感から売りが一段と加速した。その後、報道官が会見で、大統領の病状が深刻化するリスクは低いと表明したため安心感から買戻しが強まり、NYダウは上昇に転じた。ハイテクセクターが支援したほか、予想を上回る企業決算を好感した買いも後押しし、引けにかけて、上げ幅を拡大した。一方、長期金利は、この日発表の7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数、6月米景気先行指標総合指数が予想より弱い内容となったことで、相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が集まった。26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ポジション調整目的の買いも入った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅低下した一方で、主要三指数は伸する展開になったものの、イールドスプレッドは主要三指数は全てでに拡大した。全般割高感はやや後退した。ただ、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は23.88から23.11へ低下した。VIX指数は20台前半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.238%

・直近イールドスプレッド縮小: 22/4/19-▲1.713%、22/6/6-▲2.009%

                22/6/27-▲2.030%、22/7/20-▲2.073%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月20日:▲2.073%⇒7月21日:予想▲2.197%(前日比で拡大:割安)

 

7月21日のNYダウは続伸した一方で、米長期金利が大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.238%から▲1.041%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.029%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.905%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.344%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.820%下回った。NYダウは、決算が好感されたテスラ(+9.78%)の大幅高や欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げを受けたドル安、米10年債利回りの低下を追い風にハイテク株が上昇し、相場をけん引した。朝方は新規失業保険申請件数や7月フィラデルフィア連銀業況指数などの経済指標の悪化や、決算が嫌気されたユナイテッド航空やAT&Tなどの下落が重しとなったものの、主要3指数はそろってほぼ一日の高値で終了した。前日までの2日間で802ドル上昇したNYダウは、朝方に340ドル安まで下落後、162.06ドル高(+0.51%)で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月20日:▲2.542%⇒7月21日:予想▲2.637%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は続伸した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.774%から▲0.137%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.232%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.365%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.542%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.862%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.585%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.739%

・直近イールドスプレッド縮小:22/4/19-▲0.513%、22/6/8-▲0.716%

              22/6/27-▲0.738%、22/7/20-▲0.769%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月20日:▲0.769%⇒7月21日予想▲0.868%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは続伸した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.739%から▲0.871%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.311%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.515%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.630%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.935%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.226%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下した一方で、株価は続伸したものの前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.8%台半ばで推移していることで、割高感が継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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