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イールドスプレッドで7月21日の米国株市場を先取り!

2022.07.21

 

★NY株式市場では、米主要三指数は全て続伸する展開になった。先週分の住宅ローンの需要が22年ぶりの低水準に落ち込んだほか、6月中古住宅販売件数が2年ぶり最低となり、国内経済の減速を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。旅行関連株の買いに支えられ、NYダウはプラス圏に改善も、イタリアの複数の政党がドラギ首相の支持を拒否し、政権崩壊リスクが高まったとの報道をきっかけに、世界経済に悲観的な見通しが再び重しとなった。しかし、ハイテク株の買戻しが続きNYダウを支援し、主要株式指数はプラス圏で終了した。一方、長期金利は、欧州債相場の上昇を受けて買い(利回りは低下)が先行したものの、買い一巡後は売り(利回りは上昇)が優勢となり値を消した。米国株相場の上昇などが相場の重しとなった。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利わずかに上昇したうえ、主要三指数も続伸する展開になったことで、イールドスプレッドは主要三指数は全てでに縮小した。全般割高感はやや強まった。そのため、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.50から23.88へ低下した。VIX指数は20台前半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.238%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.611%、22/4/19-▲1.713%

                22/6/6-▲2.009%、22/6/27-▲2.030%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月19日:▲2.102%⇒7月20日:予想▲2.089%(前日比で縮小:割高)

 

7月20日のNYダウは続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.238%から▲1.149%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.137%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.013%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.452%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.928%下回った。NYダウは、米国株が6月に底打ちを完了したとの見方が強まる中、決算発表を好感したネットフリックスの上昇や米上院の国内半導体企業への支援策を好感した半導体株の上昇が相場をけん引した。経済指標が総じて弱い結果となり、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が和らいだことも引き続き相場の支援となった。NYダウはディフェンシブ株の下落が重しとなり前日終値を挟んでもみ合ったが、47.79ドル高(+0.15%)と小幅に続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月19日:▲2.581%⇒7月20日:予想▲2.542%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.232%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.327%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.460%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.637%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.957%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.680%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.739%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-▲1.066%、22/4/19-▲0.513%

              22/6/8-▲0.716%、22/6/27-▲0.738%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月19日:▲0.837%⇒7月20日予想▲0.772%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.739%から▲0.967%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.407%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.611%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.726%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.031%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.322%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利がわずかに上昇したうえ、株価も続伸したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.7%台後半で推移していることで、割高感が継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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