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イールドスプレッドで7月8日の米国株市場を先取り!

2022.07.08

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て続伸する展開になった。ジョンソン英首相の辞任表明を受けて、英政治安定への期待から英株中心に欧州株相場が上昇したほか、中国が景気対策を検討しているとの報道を受けて、世界経済への悲観的見方が後退し、寄り付き後は上昇した。韓国の半導体メーカー、サムスン電子の好調な決算を受けてハイテク機器への需要鈍化懸念が後退したことも相場を支援した。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事やセントルイス連銀のブラード総裁が7月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを支持すると同時に、経済の強さを強調し、ソフトランディングを基本的シナリオと主張したため引けにかけて、主要株式指数は一段と上昇し終了した。一方、長期金利は、米国株相場の上昇を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。足もとで相場上昇が続いていただけに持ち高調整目的の売りも出やすかった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したうえ、主要三指数も続伸したことでイールドスプレッドは主要三指数は全てで縮小した。全般割高感が強まったことで、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は26.73から26.08へ低下した。ただ、VIX指数は20台半ばで推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.241%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.611%、22/4/19-▲1.713%

                22/6/6-▲2.009%、22/6/27-▲2.030%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月6日:▲2.315%⇒7月7日:予想▲2.192%(前日比で縮小:割高)

 

7月7日のNYダウは続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.241%から▲1.049%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.034%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.910%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.349%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.825%下回った。NYダウは、翌日に注目の米6月雇用統計の発表を控える中、景気敏感株や半導体株を中心に買い戻しの動きが続いた。商品先物相場の上昇を好感しエクソン・モービルやフリーポート・マクモラン、アルコアなどの資源・エネルギー株が大幅高となったほか、韓国サムスンの好決算を好感し、エヌビディア、AMDなどの半導体も軒並み大幅高となった。NYダウは終日プラス圏で推移し、346.87ドル高(+1.12%)とほぼ一日の高値で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月6日:▲2.813%⇒7月7日:予想▲2.663%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.111%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.206%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.339%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.516%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.836%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.559%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.741%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-▲1.066%、22/4/19-▲0.513%

              22/6/8-▲0.716%、22/6/27-▲0.738%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月6日:▲1.058%⇒7月7日予想▲0.903%(前日比で拡大:割高)

 

NASDAQは続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.742%から▲0.839%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.276%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.480%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.595%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.900%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.191%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も続伸したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.9%台前半で推移していることで、割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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