★欧州市場序盤の取引では、欧州株が持ち直したことを背景に、アジア市場で加速したリスク回避の円買いの動きが一巡し134.70円台から135円台前半にドルが持ち直した。NYダウ先物が下げ幅を大きく縮小し、米長期金利も3%台まで切り返したことを受けリスク回避の円買いが後退した。米長期金利がその後に再び低下すると、ドルの買い戻しも一服した。欧州株がマイナスに転じたほか、NYダウ先物は下げ幅を拡大したことで、株価にらみに円買いに振れた。
特に新規の取引材料は伝わらなかったが、NY勢の参入後に対欧州通貨などで円買いとドル買いが同時に進んだ結果、135円台前半でのもみ合いとなった。予想を下回る6月米ISM製造業景気指数や米国株の下落を受けてリスク回避の円買いが先行した。景気後退懸念が強まり、米長期金利が一時2.8%を下回り2.78%まで低下した。その後、2.9%まで上昇する荒い展開となった。ドル買いが再開した。プラス圏を回復したNYダウ260ドル超高まで上げ幅を拡大するのを眺め、135.40円付近まで買われたが、対欧州通貨でドルが弱含んだ影響を受けて押し戻された。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・6月消費者物価指数速報値:前年比+8.6%(予想:+8.5%、5月:+8.1%)
・ユーロ圏・6月消費者物価コア指数速報値:前年比+3.7%(予想:+3.9%、5月:+3.8%)
・英・6月製造業PMI改定値:52.8(予想:53.4、速報値:53.4)
・英・5月住宅ローン承認件数:6.62万件(予想:6.40万件、4月:6.61万件←6.60万件)
・米・6月製造業PMI改定値:52.7(予想:52.4、速報値:52.4)
・米・5月建設支出:前月比-0.1%(予想:+0.4%、4月:+0.8%←+0.2%)
・米・6月ISM製造業景況指数:53.0(予想:54.5、5月:56.1)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は134.80-135.66円のレンジ
・6月ユーロ圏HICP速報値が8.6%と予想上回る
・インフレ高進とECBの金融引き締めから減速懸念
・6月米ISM製造業景気指数が53.0と予想を下回る
・FRBの急速な利上げの思惑が後退
・連休を控えた買い戻しに株価は上昇
・VIX指数は28.71から26.70へ低下