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イールドスプレッドで6月23日の米国株市場を先取り!

2022.06.23

 

★NY株式市場では、主要3株価指数は全て反落する展開になった。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言を控えた警戒感や景気後退懸念に売りが台頭し、寄り付き後は下落した。議長は上院銀行委員会証言での質疑応答でインフレ鈍化を強く公約すると繰り返すと同時に大規模な金融引き締めによる景気後退の可能性を否定しなかったため、利上げが想定程速やかに進まないとの思惑も浮上し、買戻しが強まり、主要株式指数は上昇に転じた。さらに、バイデン大統領がインフレ対処の一環としてガソリン税免除を議会に提案したため一段と買われた。一方、長期金利は、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気悪化を招くとの懸念から、米国株が下落すると安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したうえ、主要三指数ともに反落したことでイールドスプレッドは主要三指数は全てで拡大した。全般割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は30.19から28.95へ低下した。VIX指数は30台割れになったものの、20台後半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.245%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月21日:▲2.130%⇒6月22日:予想▲2.259%(前日比で拡大:割安)

 

6月22日のNYダウは小幅反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.245%から▲0.986%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.967%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.843%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.282%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.758%下回った。NYダウは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院銀行委員会での証言に注目が集まる中、事前に公表された原稿でインフレ抑制にコミットする姿勢が示されたことで下落してスタートしたが、状況次第で利上げのペースを緩める可能性も示されたことで買いが優勢となった。しかし、取引終盤にかけては景気後退懸念が強まり主要3指数がそろってマイナス圏で終了した。前日に435ドル高となったNYダウは、朝方に364ドル安まで下落後、午後に247ドル高まで上昇したが、47.12ドル安(-0.15%)と小幅に反落して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月21日:▲2.598%⇒6月22日:予想▲2.725%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が小幅反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.774%から▲0.049%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.144%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.277%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.454%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.774%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.397%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.744%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月21日:▲0.836%⇒6月22日予想▲0.963%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは小幅反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.744%から▲0.781%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.216%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.420%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.535%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.840%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.131%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下したうえ、株価も続伸したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.9%台半ばまで縮小したことで、割高感は継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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