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イールドスプレッドで6月7日の米国株市場を先取り!

2022.06.07

 

★NY株式市場では、主要三指数は全てで反発する展開になった。中国の北京市で新型コロナウイルスの流行に伴う規制が緩和されたことで経済正常化への期待が広がったほか、中国当局が配車アプリの滴滴グローバルの調査を終了するとの報道で投資家心理が改善した。インフレや連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めペースへの不透明感は根強く、買い一巡後は伸び悩んだ。長期金利が再び3%を上回ったことでハイテク株など割高感が意識されやすい銘柄が売られ、NYダウは取引終盤にマイナスに転じる場面もあったが、主要株式指数は小幅に反発して取引を終えた。一方、長期金利は、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの観測が強まる中、債券売りが優勢となった。今週予定されている米物価指標の発表や国債入札などのイベントを控えて持ち高調整目的の売りも出た。利回りは一時3.0454%前後と5月11日以来の高水準を付ける場面があった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅上昇したうえ、三指数ともに反発したことでイールドスプレッドは全てで縮小した。そのため、イールドスプレッドの割高感が強まった。全般割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.79から25.07へわずかに上昇した。VIX指数は低下したものの20台半ば近辺で推移していることから、米国株は不安定な動きは継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.249%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月3日:▲2.115%⇒6月6日:予想▲2.004%(前日比で縮小:割高)

 

6月6日のNYダウは小幅反発したうえ、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.249%から▲1.245%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.222%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.098%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.537%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.013%下回った。NYダウは、中国での新型コロナ感染対策のための行動規制の緩和や、それに伴うサプライチェーン問題の解消期待などで大きく上昇してスタートしたものの、米長期金利が上昇したことで上昇幅を縮小した。NYダウは朝方に335ドル高まで上昇したが、16.08ドル高(+0.05%)と小幅高で終了した。一時80ドル安まで下落する場面もあった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月3日:▲2.456%⇒6月6日:予想▲2.329%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が小幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.775%から▲0.446%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.540%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.673%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.850%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.170%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.893%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.748%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月3日:▲0.882%⇒6月6日予想▲0.757%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは小幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.748%から▲0.991%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.422%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.626%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.741%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.046%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.337%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇したうえ、株価が小幅反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.7%台半ばまで縮小していることで、割高感が強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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