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イールドスプレッドで6月6日の米国株市場を先取り!

2022.06.04

 

★NY株式市場では、主要三指数は全てで反落する展開になった。寄り付きは下落した。朝方発表された5月雇用統計で非農業部門雇用者数が39万人の増加と、増加幅が市場予想を上回ったことで連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げが警戒された。長期金利が上昇したことで、割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが加速した。主要株式指数は終日軟調に推移した。一方、長期金利は、5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ると、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの観測が改めて強まり債券売り(利回りは上昇)を誘った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したものの、三指数が大幅反落したことでイールドスプレッドは全てで拡大した。そのため、イールドスプレッドの割高感が若干後退した。ただ、全般割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.72から24.79へわずかに上昇した。VIX指数は低下したものの20台半ば近辺で推移していることから、米国株は不安定な動きは継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.249%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月2日:▲2.055%⇒6月3日:予想▲2.080%(前日比で縮小:割高)

 

6月3日のNYダウは大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.249%から▲1.169%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.146%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.022%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.461%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.937%下回った。NYダウは、寄り前に発表された米5月雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)が39万人増と市場予想の32.5万人増を上回る強い結果となったことで、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めへの警戒感が再び高まった。市場ではFRBが6月と7月に連続して0.50%の利上げを実施した後に、利上げを一時中断するとの見方もあったが、NFPが予想以上に増加したことや、平均賃金が前月比+0.3%と前月に続いて高い伸びとなったほか、メスター米クリーブランド連銀総裁もインフレ高進が続けば9月会合でも0.50%の利上げを支持すると発言したことで、金融引き締めへの警戒感が強まった。NYダウは一時409ドル安まで下落し、348.58ドル安(-1.05%)の32899.70ドルで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月2日:▲2.389%⇒6月3日:予想▲2.450%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.775%から▲0.325%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.419%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.552%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.729%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.049%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.772%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.748%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月2日:▲0.819%⇒6月3日予想▲0.885%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.748%から▲0.863%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.294%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.498%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.613%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.918%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.209%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価が大幅反落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.8%台後半まで縮小していることで、割高感が強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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