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イールドスプレッドで6月2日の米国株市場を先取り!

2022.06.02

 

★NY株式市場では、主要三指数は全てで続落する展開になった。寄り付きは上昇した。前日引け後に市場予想を上回る四半期決算を発表したセールスフォースが大幅高となり相場を押し上げ、また他のハイテク株にも買いが波及した。5月ISM製造業景況指数が予想外の上昇となったことで長期金利が上昇した。さらに、原油価格が再び上昇したことで連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な利上げへの警戒感が再び意識され、下げに転じた。取引終盤に向けて下げ幅を縮小させたが、下落のまま取引を終えた。一方、長期金利は、インフレ懸念や米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの警戒感が意識され、債券売りが広がった。5月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことも相場の重しになった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅上昇したことで、三指数が続落したもののイールドスプレッドは全てで縮小した。そのため、イールドスプレッドの割高感が若干強まった。全般割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は26.19から25.69へ低下した。VIX指数は低下したものの20台半ばで推移していることから、米国株は不安定な動きは継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.250%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・5月31日:▲2.159%⇒6月1日:予想▲2.124%(前日比で縮小:割高)

 

6月1日のNYダウは続落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.250%から▲1.126%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.102%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.978%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.417%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.893%下回った。NYダウは、好決算を発表したセールスフォースが大幅高となり上昇してスタートしたものの、5月ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI) が予想を上回る強い結果となり米10年債利回りが2.9%台に上昇したことや、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが景気の先行きに懸念を示したことが嫌気され売りが強まった。NYダウは朝方に282ドル高まで上昇後、405ドル安まで反落。終値では176.89ドル安(-0.54%)の 32813.23ドルで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・5月31日:▲2.505%⇒6月1日:予想▲2.483%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.775%から▲0.292%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.386%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.519%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.696%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.016%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.739%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.748%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・5月31日:▲0.953%⇒6月1日予想▲0.917%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは続落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.748%から▲0.831%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.262%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.466%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.581%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.886%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.177%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇した一方で、株価が続落したものの前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.9%台前半まで縮小したことで、割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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