★欧州市場序盤の取引では、週末を控えたアジア勢のポジション調整で127円台を回復した。なお、欧州主要株価指数は高安まちまち、日経先物は50円高に小幅続伸した。欧州市場では、ECBの早期引き締めに関し当局者から慎重なスタンスが示された一方、米長期金利の戻りが鈍く、127円を挟んでもみ合う展開になった。米長期金利が2.76%近辺で底堅く推移する中、全般的にドルが持ち直し127.10円前後で小動きを継続した。その後、米長期金利が2.72%台まで低下したことが重しとなり、127円台を維持できず、126.80円付近まで売り戻された。
4月米PCEデフレーターは、前年同月比+6.3%と発表され、予想を上回った。発表後はドル買いで反応したが、米長期金利の反応も限定され127円割れまで押し戻された。米長期金利の低下のほか、NYダウ上昇によるリスク選好を受けて、安全逃避通貨であるドルの売りが優勢になった。ロンドンのフィキシングに向けたドル買いが観測されドル買いが強まった。米長期金利が低下幅を縮めたことで、127円台で底堅い動きとなった。米債券市場がメモリアルデー前の金曜日のため短縮取引となり、取引が終了するとドル/円も次第に商いが低調となり127.10円近辺で小動きとなった。
★欧米主要経済指標
・米・4月コアPCE価格指数:前年比+4.9%(予想:+4.9%、3月:+5.2%)
・米・4月個人所得:前月比+0.4%(予想:+0.5%、3月:+0.5%)
・米・4月個人消費支出(PCE):前月比+0.9%(予想:+0.8%、3月:+1.4%←+1.1%)
・米・4月卸売在庫速報値:前月比+2.1%(予想:+2.0%、3月:+2.7%←+2.3%)
・米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:58.4(予想:59.1、速報値:59.1)
・米・5月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値:5.3%(速報値:5.4%)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は126.80-127.25円のレンジ
・週末を控えてユーロの持高調整目的の売り先行
・4月米PCEコアデフレーターは予想に沿った結果
・インフレ加速への懸念が和らぎ債券買い
・ロンドンのフィキシングにかけて全般ドル買い優勢
・VIX指数は27.50から25.72へ低下