★昨日トルコ中銀金融政策委員会(MPC)では、政策金利の14.0%据え置きが決定された。決定が確認されると3月4日以来の安値7.59円まで下値を広げた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。トルコ中銀声明では、これまで同様に『持続可能な物価と金融安定性に向けた措置の強化を背景に、ディスインフレのプロセスが始まる』との予想が示された。その理由として、ベース効果によるインフレ率低下やウクライナ戦争の終結を挙げている。ここまでの物価高騰も、地政学リスク悪化によるエネルギー価格上昇やファンダメンタルズに裏付けられていない価格形成との見方を変えていない。
トルコ/円の中期トレンドを示す週足では、20年11月6日週安値12.03円と2021年2月19日高値15.28円の上げ幅3.25円を11月6日週の安値から下に逆倍返した価格8.78円と逆3倍返しした価格5.53円が相場の節目になりやすい。
2022年4月8日週に13週SMA(赤線)を上抜けしたものの、逆倍返しの8.78円がレジスタンスとして意識され上値を抑える展開が続いていた。そして、5月20日週には、明確に26週SMA(青線)と13週SMAを下抜けた。その後も、陰線足となっており、下落基調は継続している。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、高水準から%DがSllow%Dを下抜けかい離幅を広げて両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが強まっている。
下値では、2021年12月24日週安値6.02円と逆3倍返しの5.53円が下値目処として意識される。
トルコでは、インフレが高進する中で政策金利の据え置きが続いていることかで、実質金利のマイナス幅が拡大する展開となっている。また、エルドアン・トルコ大統領の圧力に屈したMPCが政策金利を据え置きにしている限り、トルコリラにとっては下押しバイアスが掛かりやすい。