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イールドスプレッドで5月26日の米国株市場を先取り!

2022.05.26

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て上昇する展開になった。寄り付きは下落したが、その後上昇するも5月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を控え、様子見姿勢から上昇幅は縮小した。議事要旨では、大部分の当局者が今後2回の会合でも0.5%の利上げが必要だとの認識で一致していたことが明らかになった。積極的な引き締め継続姿勢が示された一方で、タカ派姿勢への警戒を強める内容ではなく、安心感から上げ幅を拡大した。足元で売りが強まっていた小売りやハイテク銘柄にも買いが入り、相場の上昇をけん引した。一方、長期金利は、4月米耐久財受注額が予想より弱い結果となり、米景気減速への懸念から安全資産とされる米国債は買い(利回りは低下)が先行した。もっとも、その後は米株高を受けて伸び悩んだ。5年物国債入札の結果が『やや低調だった』と受け止められたことも相場の重しとなり、10年物国債利回りは前日比で上昇(利回りは低下)に転じる場面も見られた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が小幅に低下したものの、三指数が上昇したことでイールドスプレッドは全て縮小した。そのため、イールドスプレッドの割高感が若干強まった。全般割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は29.45から28.37へ小幅に低下した。VIX指数は低下したものの20台後半で推移していることから、米国株は不安定な動きは継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.252%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・5月24日:▲2.446%⇒5月25日:予想▲2.416%(前日比で縮小:割高)

 

5月25日のNYダウは上昇した一方で、米長期金利が小幅に低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.252%から▲0.836%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.810%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.686%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.125%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.601%下回った。NYダウは、午後の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表を控えてもみ合ったが、FOMC議事要旨公表後に買いが優勢となった。0.50%の利上げが決定された5月3-4日開催FOMC議事要旨では大半のメンバーが今後複数回の0.50%の利上げが適切になるとしたものの、恐れられたほどタカ派的ではなく、米10年債利回りはほぼ変わらずとなった。NYダウは174ドル安まで下落する場面もあったが、議事要旨公表後に325ドル高まで上昇し、191.66ドル高(+0.60%)と4日続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.776%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・5月24日:▲2.875%⇒5月25日:予想▲2.825%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発した一方で、米長期金利は小幅に低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.776%から+0.049%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.044%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.177%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.354%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.674%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.397%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.749%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・5月24日:▲1.331%⇒5月25日予想▲1.274%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは反発した一方で、米長期金利は小幅に低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.749%から▲0.475%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.905%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.109%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.224%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.529%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.820%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が小幅に低下した一方で、株価が反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.2%台後半まで縮小したことで、割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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