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イールドスプレッドで5月18日の米国株市場を先取り!

2022.05.18

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てで上昇する展開になった。中国上海市の都市封鎖解除期待、国内の4月小売売上高や欧州の良好な経済指標を受け世界経済の成長減速懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がイベントでインフレが低下するまで取り組みを継続することを公約、経済が想定どおり展開したら0.5%の利上げも選択肢になると発言し金利が上昇すると警戒感に、いったん上げ幅を縮小した。しかし、ほぼ想定内の内容にとどまり、イベント終了とともに買いが再燃し、引けにかけて上げ幅を拡大した。一方、長期金利は、4月米小売売上高の結果を受けて売り(利回りは上昇)が先行したほか、米国株相場の上昇が相場の重しとなった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『必要であれば中立水準以上に金利を引き上げることを躊躇しない』と述べたことも債券売りを誘った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したうえ、三指数全てで上昇したことから全ての指数でイールドスプレッドは縮小した。イールドスプレッドの観点からは割高感が強まった。割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は27.47から26.10へ低下した。VIX指数が20台半ばで推移していることで、米国株は不安定な動きは継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.253%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・5月16日:▲2.226%⇒5月17日:予想▲2.052%(前日比で縮小:割高)

 

5月17日のNYダウは続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.253%から▲1.201%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.174%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.050%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.489%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.965%下回った。NYダウは、著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの取得が明らかになったシティグループとパラマウント・グローバルがそれぞれ7.56%高、15.35%高となったほか、アナリストの投資判断引き上げを好感したアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が8.73%高となり、このほかの半導体株も軒並み高となった。NYダウは終日プラス圏で推移し、431.17ドル高(+1.34%)と3日続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.776%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・5月16日:▲2.635%⇒5月17日:予想▲2.417%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.776%から▲0.359%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.452%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.585%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.762%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.082%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.805%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.751%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・5月16日:▲1.076%⇒5月17日予想▲0.863%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.751%から▲0.888%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.316%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.520%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.635%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.940%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.231%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.8%台半ばまで縮小していることで、割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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