★欧州市場序盤の取引では、米独の長期金利上昇を背景に129.30円台に切り返し、アジア市場の下げを解消した。欧州主要株価指数とNYダウ先物が前週末比小幅プラス圏に転じ、リスク許容度の改善を受け、米長期金利の上昇に連れて、一時129.40円台に続伸した。具体的な材料は乏しく、全般的に様子見ムードが広がり129.30円付近と変わらずの値動きが続いた。中国の経済指標が予想外に低調な内容となり、先行き不透明感が広がった。ただ、その後はリスク回避ムードが後退し、ドル/円は方向感が乏しい展開になった。
NY勢の参入後は、米長期金利が2.92%台まで上昇すると、徐々にドル買いが進んだ。5月NY連銀製造業景況指数が-11.6となり、予想の+17.0を下回り、予想外のマイナス悪化となったことでドルが反落した。米長期金利が2.88%台まで低下するのを眺めながら129.10円前後で戻りの鈍い展開になった。米長期金利が再び2.85%台まで低下すると共に129円手前まで上値を切り下げた。NYダウが上げ幅を一時300ドル超まで広げたことを受けて全般リスク選好の円売りが進行した。129.40円付近まで反発したものの、その後に強まったドル安の流れから129.00円付近まで売り戻された。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・3月貿易収支:-164億ユーロ(2月:-76億ユーロ)
・米・5月NY連銀製造業景気指数:‐11.6(予想:15.0、4月:24.6)
・米・3月対米証券投資収支・長期有価証券(株式スワップ等除く):+231億ドル(2月:+1417億ドル)
・米・3月対米証券投資全体:+1492億ドル(2月:+1603億ドル←+1626億ドル)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は128.80-129.61円のレンジ
・上海市のロックダウンが6月中に解除の見通し
・独政局不安からユーロ売りが出やすい
・5月NY連銀製造業景気指数が予想外の悪化
・高PERのハイテク株中心に売られ上値は限定的
・VIX指数は28.87から27.47へ低下