★南アランドは対ドル・対円で続落しているが、引き続き深刻な電力不足と洪水被害を巡る懸念が高っていることが南アランドの重石となっている。
南アランド/円の一目均衡表の日足では、転換線(赤線)に支えられて上昇基調が続いていたが、4月20日に下抜けすると一転してレジスタンスとして意識されると、下押しバイアスが強まった。
ただ、横ばいの基準線(青線)の8.3375円がサポートとして意識されると基準線を挟んでもみ合い相場となっている。
このまま基準線を下抜けするようなら、52期間の高低中心値となる先行スパン2の当日線(茶線)の8.070円が下値目処として意識される。
遅行スパンの遅行線(緑線)は、このまま横ばいが続くと4営業日後にはロウソク足に接触することになり、ロウソク足の上方に抜けるのか下方に抜けるのか相場の節目になる。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DとSlow%Dはかい離幅を広げて両線とも下向きになっている。また、価格は高値を更新したものの、%DとSlow%Dは上値を切り下げる弱気のダイバージェンスとなっており、先行き下落基調を示すシグナルが出ているので、安易な押し目買いは注意が必要である。
一方で、 ロシアのウクライナへの侵攻が要因となり、南アフリカの交易条件の見通しが改善したことや、南ア債への海外投資需要も強いことなどがランドの支えになっている。南ア財務省によると、北米、欧州、アジア、アフリカの年金やヘッジファンド・金融機関など、さまざまな投資家が南ア債への関心を示していることが明らかにされた。財政状態の改善、他の新興市場(特にロシアやトルコなど)と比較した場合の相対的な『安全な避難所』としての魅力も、ランド円の買い要因である。
そのため、南アランドの下げ止まりの確認後は再び上昇基調に戻りやすい。