★欧州市場序盤の取引では、アジア市場で加速した円全面安の流れが持続して、128円を維持した。なお、欧州主要株価指数は軟調に推移した。欧州勢本格参入後も円売りの勢いは衰えず、米長期金利が2.89%台に上昇幅を拡大したことに連れ、ドルが続伸し20年ぶり高値を更新した。米長期金利を睨んだ値動きとなっており、米長期金利が2.90%台から2.88%台に小幅軟化となる中、128.30円台でもみ合い推移となった。
予想外に強い住宅市場で米長期金利が2.91%と、2018年12月来の高水準で推移するとドル買いも強まった。NY序盤では米長期金利が2.92%台へ上振れなど、米FRBのインフレ対応を意識した上昇の流れが持続し、堅調に推移した。一時128.91円と2002年5月以来の高値を付けた。日銀が大規模な金融政策を継続するとの見方から、円を売る動きも広がった。米長期金利が2.88%台へ低下する中、若干頭打ち気味となった。その後、エバンス米シカゴ連銀総裁が政策金利を中立以上の水準に引き上げると予想していることを明らかにするとドルは堅調推移となった。NYダウ先物が560ドル以上の上昇と米株が堅調。米長期金利は2.94%台まで上昇したことで、再び上値を伸ばす動きになった。
★欧米主要経済指標
・米3月住宅着工件数:179.3万戸(予想:174万戸、2月:178.8万戸←176.9万戸)
・米3月住宅建設許可件数:187.3万戸(予想:182万戸、2月:186.5万戸)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は127.79-128.97円のレンジ
・ECBが金融政策の正常化を早期に迫られるとの観測根強い
・日米の金融政策の方向性の違いが改めて意識され円売り優勢
・米10年債利回りが2.9264%前後と約3年4ヵ月ぶりの高水準
・エバンス米シカゴ連銀総裁のタカ派発言でドル堅調
・VIX指数は22.17から21.37へ低下