フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

投資情報ナビ

イールドスプレッドで4月15日の米国株市場を先取り!

2022.04.15

 

★NY株式市場では、主要三指数ともに全て反落する展開になった。四半期決算が好感されたゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど金融株に買いが先行し一時320ドル超上昇した。しかし、NY連銀のウィリアムズ総裁が5月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイントの利上げが理にかなった選択とするなど、利上げ加速を支持する姿勢を見せたため警戒感に売りが再燃し下落に転じた。金利が一段と上昇しハイテク株も売られ相場全体のさらなる重石となり、引けにかけ下げ幅を拡大した。一方、長期金利は、インフレの高止まりで、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進める状況に変わりはないとの見方から、債券売り(利回りは上昇)が進んだ。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が『5月の会合で0.50%の利上げを検討するのが妥当』と発言したことも債券売りを促し、利回りは一時2.8332%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付けた。なお、この日は聖金曜日の祝日(グッドフライデー)の前日で短縮取引だった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が大幅上昇した一方で、三指数全てで反落したものの縮小した。割高感が強まっていることから上値追いよりも、下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.26から21.82へ低下した。ただ、VIX指数が20台乗せとなっていることで、米国株は不安定な動きは継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.263%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/8-▲1.896%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・4月13日:▲1.947%⇒4月14日:予想▲1.830%(前日比で縮小:割高)

 

4月13日のNYダウが反落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.263%から▲1.433%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.396%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.272%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.711%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.187%下回った。NYダウは、注目された大手金融株の決算発表が好悪まちまちとなる中、米10年債利回りが前日の2.70%台から2.82%台に上昇したことでハイテク株を中心に売りが優勢となった。NYダウは朝方に324ドル高まで上昇したものの、113.36ドル安(-0.33%)とほぼ一日の安値で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/8-▲2.177%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・4月13日:▲2.228%⇒4月14日:予想▲2.157%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.779%から▲0.622%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.712%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.845%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.022%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.342%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.065%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.758%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/11-0.730%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・4月13日:▲0.750%⇒4月14日予想▲0.693%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反落した一方で、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲1.758%から▲1.065%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.486%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.690%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.805%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.110%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.401%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇した一方で、株価は反落したものの前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.6%後半まで縮小していることで、割高感が非常に強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

  • プライム情報・記事一覧
  • 経済カレンダー
  • 相場表

▲ PAGE TOP