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イールドスプレッドで4月13日の米国株市場を先取り!

2022.04.13

 

★NY株式市場では、主要三指数ともに全て続落する展開になった。3月の消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びとなったが、コア指数の伸びが予想を下回ったためインフレピークとの見方も浮上し、金利低下で、寄り付き後は上昇した。同時に、燃料や食料品価格が高く、物価が当面高止まりするとの懸念も根強く、さらに、生産者物価指数(PPI)の発表を控え物価高への警戒感が再燃し下落に転じた。また、決算を控えて銀行株が売られ、さらなる相場の重しとなり、引けにかけて売りが加速した。一方、長期金利は、3月米消費者物価指数(CPI)がほぼ市場予想通りの結果となったため、過度のインフレ懸念が後退し債券買い(利回りは低下)が広がった。足もとで相場下落(利回りは上昇)が続いたあとだけに押し目買いなども入ったようだ。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したうえ、三指数全てで続落したことで拡大した。ただ、割高感が強まっていることから上値追いよりも、下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は24.37から24.26へわずかに低下した。ただ、VIX指数が再び20台乗せとなっていることで、米国株は不安定な動きになりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.264%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/8-▲1.896%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・4月11日:▲1.917%⇒4月12日:予想▲1.980%(前日比で縮小:割安)

 

4月12日のNYダウが続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.264%から▲1.284%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.246%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.122%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.561%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.037%下回った。NYダウは、寄り前に発表された米3月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて大幅に上昇してスタートしたものの、買い一巡後は再び売りが強まった。3月CPIは前年比+8.5%と市場予想の+8.4%を上回り、41年ぶりの高い伸びとなった。しかし、変動の大きい食品、エネルギーを除くコア指数が前月比+0.3%と市場予想の+0.5%を下回る伸びにとどまり、前年比でも+6.5%と予想の+6.6%を下回ったことで、先行きのインフレ高進のスローダウンが期待された。ただ、インフレ抑制のためには米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げが避けられないとの見方が強まった。NYダウは朝方に361ドル高まで上昇後、終盤に205ドル安まで下落し、87.72ドル安(-0.26%)で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/8-▲2.177%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・4月11日:▲2.185%⇒4月12日:予想▲2.255%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.779%から▲0.524%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.614%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.747%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.924%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.244%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.967%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.758%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/11-0.730%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・4月11日:▲0.730%⇒4月12日予想▲0.793%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.758%から▲0.965%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.386%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.590%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.705%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.010%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.301%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下したうえ、株価も続落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.7%後半まで縮小していることで、割高感が非常に強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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