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イールドスプレッドで4月11日の米国株市場を先取り!

2022.04.09

 

★NY株式市場では、NYダウは反発したものの、S&P500指数とナスダック総合は続落する展開になった。米10年債利回りが3年ぶり高水準に達し、金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後、景気に不透明感が広がる中、ディフェンシブ銘柄に投資資金が向かい、NYダウは上昇に転じた。また、米長期金利が上昇し利ざやが改善するとの見方から、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が値上がりした。一方で、ハイテク株は終日軟調に推移した。一方、長期金利は、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識される中、この日も売り(利回りは上昇)が続いた。利回りは一時2.7265%前後と2019年3月以来約3年1カ月ぶりの高水準を付けた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇した一方で、NYダウは反発したことで縮小、S&P500は反落したにも関わらず縮小、ナスダック総合は大幅下落したことで変わらずだった。割高感が強まっていることから上値追いよりも、下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は21.55から21.16へ低下した。ただ、VIX指数が再び20台乗せとなっていることで、米国株は不安定な動きになりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.265%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/4/7-▲1.929%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・4月7日:▲1.929%⇒4月8日:予想▲1.864%(前日比で縮小:割高)

 

4月7日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.265%から▲1.401%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.362%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲2.238%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.677%下回った。20年3月23日の6.017%から▲4.153%下回った。NYダウは、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締め姿勢を背景に長期金利の上昇が続く中、利ざや拡大による収益向上が期待される金融株が上昇した一方、金利上昇による割高感が意識されたハイテク株が下落した。原油高を好感したエネルギー株や、生活必需品や公益などのディフェンシブ株も上昇した一方、景気の先行指標とされる輸送株が下落した。NYダウは朝方に113ドル安まで下落後、324ドル高まで上昇し、137.55ドル高(+0.40%)と2日続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.780%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/4/5-▲2.209%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・4月7日:▲2.209%⇒4月8日:予想▲2.175%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反落した一方で、米長期金利が大きく上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.780%から▲0.605%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.694%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.827%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲2.004%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.324%下回った。20年3月23日の6.222%から▲4.047%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.759%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/4/7-0.749%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・4月7日:▲0.749%⇒4月8日予想▲0.749%(前日比で変わらず)

 

NASDAQが反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で変わらず(米国10年債金利に対して米国株は変わらず)した。平均値の▲1.759%から▲1.010%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.430%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.634%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.749%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲2.054%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.345%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価は反落したことで前日比で変わらずだった。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.7%半ばまで縮小していることで、割高感が非常に強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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