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イールドスプレッドで4月5日の米国株市場を先取り!

2022.04.05

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て続伸する展開になった。ロシア軍によるウクライナの民間人虐殺疑惑を受け、欧米が対ロ制裁をさらに強化する姿勢を表明したため経済への影響を警戒し、寄り付き後は下落した。JPモルガン銀のダイモン最高経営責任者(CEO)が、投資家に向けてウクライナ戦争による業績への影響や今後数年、世界経済や地政学に主要な影響を与えると警告したことも嫌気され売り圧力となった。一方、ナスダック総合指数は堅調となった。中国の規制当局が上場している同国ハイテク企業の監査に関し情報を開示することに前向きな姿勢を見せたため、非上場が回避されるとの期待感から買い戻しがさらに加速した。その流れに連れて国内ハイテクセクターも一段高となり、相場全体を押し上げてNYダウも上昇に転じた。一方、長期金利は、ウクライナ情勢を巡る懸念を背景に買い(利回りは低下)が先行したものの、米国株が底堅く推移すると徐々に弱含んだ。原油高でインフレへの懸念が強まったことも債券売り(利回りは上昇)を誘った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したうえ、主要三指数も続伸する動きになったことで、イールドスプレッド三指数ともに縮小する展開になった。割高感が強まっていることから上値追いよりも、下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は19.63から18.57へ低下した。VIX指数が再び20台割れとなっているものの、割高感が強いため高水準で推移しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.267%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/3/28-▲2.060%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・4月1日:▲2.156%⇒4月4日:予想▲2.122%(前日比で縮小:割高)

 

4月4日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.267%から▲1.145%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.104%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.980%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.419%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.895%下回った。NYダウは、長短金利差の逆転が続き、将来の景気後退懸念が続いたほか、ウクライナ情勢の混迷も続いたものの、第1四半期に大きく下落したハイテク株の上昇が相場をけん引した。テスラのイーロン・マスクCEOの9%超の取得が明らかになったツイッターが27%高と急伸したほか、テスラも好調な出荷台数が好感され5%超上昇した。このほか、ネットフリックス、メタ・プラットフォームズが4%超上昇し、アマゾン、エヌビディア、アップル、アルファベットも2%超上昇した。NYダウは103.61ドル高 (+0.30%)と続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.780%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/3/28-▲2.313%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・4月1日:▲2.425%⇒4月4日:予想▲2.366%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.780%から▲0.414%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.503%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.636%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.813%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.133%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.856%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.761%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/3/28-0.842%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・4月1日:▲0.943%⇒4月4日予想▲0.861%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.761%から▲0.900%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.318%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.522%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.637%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.942%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.233%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も続伸したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.8%半ばまで縮小していることで、割高感が非常に強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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