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イールドスプレッドで4月4日の米国株市場を先取り!

2022.04.02

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て反発する展開になった。3月雇用統計が労働市場の強さを新たに証明したため、寄り付き後は上昇した。同時に、労働市場のひっ迫や賃金の予想を上回る伸びにより、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったことが警戒されたほか、長短金利の逆転で景気後退懸念も浮上し、一時下落に転じた。しかし、第2四半期入りで新規投資が下支えとなり、再び上昇した。引けにかけて上げ幅を拡大した。一方、長期金利は、3月米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正され、失業率は約2年ぶりの水準まで改善した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めを後押しする内容だったと受け止められ、債券売り(金利は上昇)が広がった。なお、2年債利回りは一時2.4665%前後まで上昇し、10年債利回りを上回る『逆イールド』が一段と進んだ。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇したうえ、主要三指数も反発する動きになったことで、イールドスプレッド三指数ともに縮小する展開になった。割高感が強まっていることから上値追いにはなり難い。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は20.56から19.63へ低下した。VIX指数が再び20台割れとなっているものの、割高感が強いため高水準で推移しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.267%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/3/28-▲2.060%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月31日:▲2.219%⇒4月1日:予想▲2.154%(前日比で縮小:割高)

 

4月1日のNYダウが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.267%から▲1.113%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.072%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.948%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.387%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.863%下回った。NYダウは、米3月雇用統計が総じて強い結果となり、利上げ加速見通しが強まったことや、長短金利差の逆転による将来の景気後退懸念が重石となったものの、ディフェンシブ・セクターの上昇が相場を支えた。ウクライナ情勢に進展がなかったものの、NY原油が続落し、1バレル100ドルを下回ったことも安心感につながった。四半期末の前日に550ドル下落したNYダウは、上昇してスタート後、一時140ドル安まで下落したが、終盤に169ドル高まで反発し、139.92ドル高(+0.40%)で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.781%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/3/28-▲2.313%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・3月31日:▲2.487%⇒4月1日:予想▲2.425%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.781%から▲0.356%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.444%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.577%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.754%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.074%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.797%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.761%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/3/28-0.842%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月31日:▲0.997%⇒4月1日予想▲0.941%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.761%から▲0.820%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.238%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.442%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.557%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.862%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.153%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.9%半ばまで縮小していることで、割高感が非常に強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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