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イールドスプレッドで4月1日の米国株市場を先取り!

2022.04.01

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て続落する展開になった。3月に入り急ピッチで上昇していただけに、月末・期末を迎えて利益確定目的の売りが優勢となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)が注視しているコアPCE価格指数の2月分が1983年来で最大の伸びを記録する高インフレを警戒し、寄り付き後は下落した。さらに、ロシアによるウクライナ攻撃の勢いは弱まらず、停戦期待が後退したほか、景気後退入り懸念も浮上し、終日軟調に推移した。引けにかけ、月末、四半期末絡みの調整売りに下げ幅をさらに拡大した。一方、長期金利は、ウクライナ情勢を巡る懸念が根強い中、米国株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入った。  今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したうえ、主要三指数は続落する動きになったことで、イールドスプレッド三指数ともに拡大する展開になった。ただ、割高感が残っていることから、弱い展開が継続する可能性もある。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は19.33から20.56へ上昇した。VIX指数が再び20台へ上昇してきたことで、相場が再び不安定になってきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.268%

・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%

                21/10/21-▲2.758%、22/3/28-▲2.060%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月30日:▲2.127%⇒3月31日:予想▲2.215%(前日比で拡大:割安)

 

3月31日のNYダウが続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.268%から▲1.053%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲2.011%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.887%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.326%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.802%下回った。NYダウは、月末、四半期末の取引で終盤に売りが強まった。原油相場が大幅に下落したものの、ウクライナ情勢を巡る不透明感が続いたほか、翌日に米3月雇用統計の発表を控えた様子見や、 アナリストの投資判断引き下げが嫌気された半導体株やPCメーカー株の下落、長短金利差縮小が嫌気された金融株の下落などが重しとなった。小幅安でスタートしたNYダウは終盤に下落幅を拡大し、550.46ドル安(-1.56%)とほぼ一日の安値で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.781%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%

               21/1/11-▲2.320%、22/3/28-▲2.313%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・3月30日:▲2.395%⇒3月31日:予想▲2.487%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.781%から▲0.294%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.382%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.515%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.692%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲2.012%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.735%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.761%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

              21/11/23-1.299%、22/3/28-0.842%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月30日:▲0.922%⇒3月31日予想▲0.990%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.761%から▲0.771%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.189%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.393%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.508%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.813%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲3.104%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下したうえ、株価も続落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲0.9%語半まで縮小していることで、割高感が非常に強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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