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イールドスプレッドで3月18日の米国株市場を先取り!

2022.03.18

 

★NY株式市場では、主要三指数ともに続伸する展開になった。ロシアがウクライナとの停戦交渉が進展したとの報道は誤りであると表明したため、失望感から寄り付き後は下落し、一時160ドル超下げた。しかし、良好な雇用や住宅関連指標を好感した買いに上昇に転じた。さらに、ロシアのドル建て債利払いが完了し債権者に分配されたことが関係筋の話で明らかになり、ロシア債務不履行懸念の後退も投資家の安心感に繋がり、相場の上昇を後押した。金利の上昇が一段落したためハイテク株でも買い戻しが継続したことも引けにかけた上昇拡大をけん引した。一方、長期金利は、前日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したことで、持ち高調整目的の買い(利回りは低下)
が入った。ウクライナ情勢を巡る不透明感が根強いことも債券買いを誘った。  今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下した一方で、主要三指数も大幅続伸したことで、イールドスプレッドは三指数ともに縮小した。そのため、割高感が急速に強まっている。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価がが売られやすい。米国株のVIX指数は29.83から26.67へ低下した。VIX指数が30台割れとなったものの、20超えの高水準で推移していることで、ボラティリティの高い相場が継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.271%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月16日:▲2.545%⇒3月17日:予想▲2.507%(前日比で縮小:割高)

 

3月17日のNYダウは大幅に続伸した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.271%から▲0.764%と平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.719%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.595%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.034%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.510%下回った。NYダウは、軟調にスタートしたものの、前日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、金融政策の先行き不透明感が後退する中、ロシアが米ドル建て債務の利払いを実施したとロイターが報じたことが安心感につながった。NYダウは朝方に167ドル安まで下落後、417.66ドル高(+1.23%)とほぼ一日の高値で終了した。3日間では1535ドル高の大幅高となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.782%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・3月16日:▲2.826%⇒3月17日:予想▲2.783%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が大幅に続伸した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.781%から+0.002%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.086%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.219%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.396%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.716%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.439%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.764%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月16日:▲1.335%⇒3月17日予想▲1.307%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが大幅続伸した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.764%から▲0.457%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.872%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.076%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.191%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.496%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.787%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下した一方で、株価が大幅続伸したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.3%前半まで縮小したことで、割高感が強まっている。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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