フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

投資情報ナビ

イールドスプレッドで3月16日の米国株市場を先取り!

2022.03.16

 

★NY株式市場では、主要三指数ともに上昇する展開になった。連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控え発表された2月生産者物価指数(PPI)が予想を下回る伸びにとどまり、インフレがピークを付けた可能性が示唆されたため急激な利上げへの警戒感が後退し、寄り付き後は上昇した。ロシアのプーチン大統領が攻撃を継続する強硬姿勢を示したため、一時小緩む場面もあったが、原油価格が高値から反落したため回復への安心感が広がり、終日堅調に推移した。経済の正常化を期待した買いもけん引し、引けにかけて上げ幅を拡大し一時670ドル超上げた。一方、長期金利は、欧州債相場の上昇を受けて米国債にも買い(利回りは低下)が先行したものの、そのあとは徐々に売り(利回りは上昇)が優勢になった。米国株相場の上昇などが相場の重しとなった。市場では『明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は若干タカ派化する』との予想が聞かれた。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利がわずかに上昇したうえ、主要三指数が上昇したことで、イールドスプレッドは三指数ともに大幅縮小した。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価がが売られやすい。米国株のVIX指数は31.77から29.83へ低下した。VIX指数が30台割れとなったものの、高水準で推移していることで、ボラティリティの高い相場が継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.272%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月14日:▲2.801%⇒3月15日:予想▲2.707%(前日比で縮小:割高)

 

3月15日のNYダウは大幅に続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.272%から▲0.565%と平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.519%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.395%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.834%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.310%下回った。NYダウは、原油相場が大幅に続落したことや、米2月生産者物価指数(PPI)の伸びが予想を下回ったことが好感された。足もとで株価が大幅安となる中、翌日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に買い戻しの動きも強まった。NYダウは599.10ドル高(+1.82%)の33544.34ドルで終了し、3日ぶりに33000ドル台を回復した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.782%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・3月14日:▲3.105%⇒3月15日:予想▲2.989%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が大幅反発したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.781%から+0.208%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.880%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.013%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.190%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.510%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.233%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.764%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月14日:▲1.626%⇒3月15日予想▲1.513%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが大幅反発したうえ、米長期金利がわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.764%から▲0.251%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.666%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.870%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.985%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.290%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.581%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利がわずかに上昇したうえ、株価が大幅反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%前半まで縮小したことで、割高感が急速に強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

  • プライム情報・記事一覧
  • 経済カレンダー
  • 相場表

▲ PAGE TOP