★欧州市場朝方の取引では、前日からユーロ全面高の流れの進展を受けドルが軟調に取引され、ドル/円も118.00円台割れに反落した。なお、欧州主要株価指数は反落して取引を開始した。上値の重さが意識されると米長期金利が2.08%台まで再び低下したことも嫌気され売りが再開された。欧米株価指数の下落で円買いが先行したものの、米長期金利の低下が一服するとドル売りは後退した。117.70円レベルが短期のサポートとして意識された。
2月米PPIは市場予想を下回ったほか、3月米NY連銀製造業景気指数は2020年6月のマイナスに転じたが、指標自体に対する反応は限られた。米FOMCイベントを控えて大きな方向感は出なかったものの、米国株高に伴うリスク選好の円売りや日米金利差拡大観測を受けた円売りが継続した。米長期金利が2.133%超えとなりNY市場から切り上げの動きになった。NYダウなどの堅調推移をながめ、リスク選好のドル買いが進み、米長期金利の低下幅縮小も支えに118.30円台まで下値を切り上げた。米長期金利が2.15%台までの上昇を手掛かりにしたドル買いが入り、一時118.40円付近まで強含んだ。ただ、アジア時間に付けた高値の118.45円が意識されると買いも一服した。
★欧米主要経済指標
・独・3月ZEW景気期待指数:-39.3(予想:5.0、2月:54.3)
・ユーロ圏・1月鉱工業生産:前月比0.0%(予想:0.0%、12月:+1.3%←+1.2%)
・米・2月生産者物価指数(PPI):前月比+0.8%(予想:+0.9%、1月:+1.2%←+1.0%)
・米・2月生産者物価コア指数:前月比+0.2%(予想:+0.6%、1月:+1.0%←+0.8%)
・米・2月生産者物価指数:前年比+10.0%(予想:+10.0%、1月:+10.0%←+9.7%)
・米・2月生産者物価コア指数:前年比+8.4%(予想:+8.7%、1月:+8.5%←+8.3%)
・米・3月NY連銀製造業景気指数:‐11.8(予想:6.4、2月:3.1)
・米・1月対米証券投資収支・長期有価証券(株式スワップ等除く):+588億ドル(12月:+1145億ドル)
・米・1月対米証券投資全体:+2942億ドル(12月:‐538億ドル←‐524億ドル)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は117.67-118.39円のレンジ
・米長期金利は一時2.16%台と19年6月以来の高水準
・米FOMCによる利上げペースの加速観測が浮上
・2月米卸売物価指数(PPI)は予想より弱い内容
・3月NY連銀製造業景気指数は20年6以来のマイナス
・VIX指数は31.77から29.83へ低下