★日経225の中期トレンドを示す週足では、2021年から続いていたレンジ相場の下限21年8月20日週安値26,954.81円を下抜けると、一転レジスタンスとして意識され下押しバイアスが強まっている。
13週SMA(赤線)は26週SMA(青線)と52週SMA(緑線)を下抜けるデッドクロスして、下向きになっていることで下落トレンドが継続している。
さらにストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DとSlow%Dは上値・下値を切り下げ、両線ともに下向きになっている。
先週は一旦25,000円割れとなったが、下ヒゲを残しての引けとなっており、心理的節目になりやすく押し目買いが入りやすい。
ただ、トレンド的には下落トレンド入りしており、戻り売りバイアスも強まっている。
下値では、200週SMA(紫線)の24,193.62円が視界に入ってきた。また、レンジ下限21年8月20日週安値26,954.81円と21年9月17日高値30,795.78円の値幅3,840.97円をレンジ下限から差し引いた23,113.84円が重要な下値目処として意識される。
世界的なインフレ高進や混沌としているウクライナ情勢悪化から、上値の重い展開が継続しやすい。
週末には、117円台まで円安が進行しており、国内物価を押し上げるほか原油高に連れて経常収支の赤字拡大が更なる円売りを招く可能性がある。そのため、悪い円安基調となりやすく、日銀による金融緩和政策の変更の思惑も株価には悪材料になりやすい。
一方、輸出企業は為替変動に影響されにくい構造改革が進んでいるほか、半導体不足から円安が企業業績につながりにくい構造になっている。
信用買残高(二市場合計)は3月4日申し込み時点で3兆3522億円と高水準にあり、信用評価損益率は▲13.0%と追証が発生する水準まで悪化している。そのため、さらに下落するようならポジション解消の売りが出やすい地合いとなっている。