★欧州市場朝方の取引では、円売りの勢いは一服となったが、下押しは限定され116.70円台でドル上昇地合いは維持された。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。特段ドル/円の買いを促すニュース等は出なかったが、アジア時間に年初来高値を超えたこともありドル/円は堅調推移した。米FRBによる引締め加速への思惑でのドル買いやウクライナ情勢の混迷で有事のドル買いも観測された。日中安値から1円近い上昇となったことから一旦戻り売りに押されて116.80円付近へ軟化した。欧州株は全面高で推移した。米長期金利は1.986%近辺でもみ合い商状だった。ウクライナ懸念が一服する中、米長期金利が2%超えを維持したことでドルが下支えされた。
プーチン露大統領の『ウクライナとの交渉には一定の前向きな変化があった』との発言でもドル/円の動きは鈍く、116円台後半でもみ合いとなった。その後は、週末を控えて大きな方向感が出にくい展開が続いた。116円台後半でのもみ合いが続いていたが、ロンドンのフィキシングにかけて円売り・ドル買いが強まった。米FOMCの開催を控え、米FRBの2018年来で初めてとなる利上げを織り込むドル買いが継続した。米長期金利が2%付近へ水準を持ち直したこともあり、117.36円付近まで上値を広げた。
★欧米主要経済指標
・米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値:59.7(予想:61.0、2月:62.8)
・米・3月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値:5.4%(予想5.1%、2月:4.9%)
・米・3月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値:3.0%(2月:3.0%)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は116.67-117.36円のレンジ
・露・ウクライナ停戦合意への期待が高まりユーロ買い先行
・ウクライナ外相がプーチン露大統領の発言を否定するとユーロ売り
・日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買い優勢
・3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を下回る
・VIX指数は30.23から30.75へ上昇