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イールドスプレッドで2月24日の米国株市場を先取り!

2022.02.24

 

★NY株式市場では、主要三指数の全てが続落する展開になった。良好な企業決算を好感した買いや、欧米の対ロ制裁がそれほど厳しいものではなく、さらに、ロシア、ウクライナ対立が地域的なリスクにとどまるとの見方も支援し、寄り付き後は上昇した。その後、政府がウクライナに48時間内のロシアによる本格侵攻を警告したと報じられ、さらに、ウクライナが全土非常事態宣言を発令する計画が明らかになると、警戒感を受けた売りが再燃した。引けにかけて、下げ幅を拡大し一時510ドル超下落した。一方、長期金利は、ウクライナ情勢の緊迫化でエネルギー価格が上昇傾向を強め、インフレ圧力が一段と高まるとの見方が強まった。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のため積極的に金融政策の正常化を進めるとの観測から債券売り(利回りは上昇)が広がった。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇した一方で、主要三指数とも大幅続落したことで、イールドスプレッドは三指数ともに拡大した。S&P500指数は3.0%台を回復してきており、割高感はやや後退した。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価がが売られやすい。米国株のVIX指数は28.11から31.02へ上昇した。VIX指数が30台で推移していることで、ボラティリティの高い相場が継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.274%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月22日:▲2.765%⇒2月23日:予想▲2.777%(前日比で拡大:割安)

 

2月23日のNYダウは5日続落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.274%から▲0.497%と平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.449%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.325%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.764%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.240%下回った。NYダウは、ウクライナ情勢の緊迫化によりリスク回避の動きが続いた。前日までの大幅続落で朝方は買い戻しの動きがみられたものの、バイデン米大統領が追加の対露経済制裁を発表したことなどで、次第に売りが優勢となった。NYダウは235ドル高まで上昇後、511ドル安まで下落し、464.85ドル安(-1.38%)と5日続落して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月22日:▲3.085%⇒2月23日:予想▲3.127%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は4日続落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.779%から+0.348%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.742%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.875%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.052%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.372%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.095%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.764%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月22日:▲1.577%⇒2月23日予想▲1.748%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは5日続落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.764%から▲0.016%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.431%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.635%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.750%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.055%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.346%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は上昇した一方で、株価が大幅続落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.7%台半ばまでスプレッドは拡大してきた。ただ、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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