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イールドスプレッドで2月16日の米国株市場を先取り!

2022.02.16

 

★NY株式市場では、主要三指数が全てで大幅反発する展開になった。ロシアが軍の一部撤収開始を発表したため、ウクライナ侵攻懸念が緩和し、寄り付き後は上昇した。プーチン大統領がドイツのショルツ首相と会談し引き続き外交的解決に前向きである姿勢を強調したことやブリンケン国務長官とラブロフ露外相の電話会談などもプラス材料となり、終日堅調に推移した。引けにかけて、バイデン大統領がロシア軍の撤収が未確認としたものの、パンデミック収束に伴う経済再開銘柄の買いが相殺し、上げ幅を拡大した。一方、長期金利は、ウクライナを巡る緊張が和らいだことで、相対的に安全資産とされる米国債には売り(利回りは上昇)が先行した。1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことも相場の重石となった。  今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利は大幅上昇したうえ、主要三指数とも大幅反発したことで、イールドスプレッドは三指数ともに大幅に縮小した。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。米国株のVIX指数は28.33から25.70へ低下した。しかし、20台半ばで推移していることで、ボラティリティの高い相場が継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.275%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月14日:▲2.606%⇒2月15日:予想▲2.491%(前日比で縮小:割高)

 

2月15日のNYダウは大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.275%から▲0.784%と平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.735%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.611%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.050%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.526%下回った。NYダウは、ロシアがウクライナ国境の兵の一部を引いたことで地政学リスクがやや和らいだ。NYダウは422.67ドル高(+1.22%)とほぼ一日の高値で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月14日:▲2.877%⇒2月15日:予想▲2.743%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.779%から▲0.036%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.126%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.259%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.436%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.756%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.479%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.765%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月14日:▲1.545%⇒2月15日予想▲1.399%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.765%から▲0.366%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.780%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.984%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.099%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.404%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.695%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は大幅上昇したうえ、株価も大幅反発したことで前日比で大幅縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.4%台割れまでスプレッドは縮小しており、かなり割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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