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イールドスプレッドで2月15日の米国株市場を先取り!

2022.02.15

 

★NY株式市場では、主要三指数が全てで続落する展開になった。セントルイス連銀のブラード総裁がTVインタビューで、金融引き締め計画を前倒しで実施する必要性を強調したほか、ロシアが近くウクライナ侵攻に踏み切るとの警戒感がくすぶり、寄り付き後は下落した。そののち、ロシアのプーチン大統領が依然、外交的解決も選択肢としていると報じられ下げ幅を縮小する局面もあったが、政府がキエフのウクライナ大使館の移転計画を明らかにすると、再び売りが加速して終日軟調推移となった。一方、長期金利は、ブラード米セントルイス連銀総裁がCNBCとのインタビューで『金融引き締めの前倒しが必要』との認識を改めて強調すると、債券売り(利回りは上昇)が優勢となった。ただ、そのあとはウクライナ情勢の緊迫化で安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入ったため、下げ幅を縮めた。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利は大幅低下したうえ、主要三指数とも大幅続落したことで、イールドスプレッドは三指数ともに大幅拡大した。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。米国株のVIX指数は27.36から28.33へ上昇した。20台後半まで上昇してきたことで、相場に下押しバイアスが強まってきた。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.275%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月11日:▲2.641%⇒2月14日:予想▲2.619%(前日比で縮小:割高)

 

2月14日のNYダウは続落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.275%から▲0.656%と平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.607%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.483%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.922%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.398%下回った。NYダウは、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒感が続く中、ウクライナを巡る緊張が一段と高まったことで投資家心理が悪化した。米国がウクライナ国境でロシア軍の兵力が著しく増大しているとし、ロシア軍の侵攻に備えてウクライナ首都キエフの大使館を閉鎖したほか、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアが水曜日に侵攻する可能性があるとした。NYダウは午後の取引で一時433ドル安まで下落し、171.89ドル安(-0.49%)で終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月11日:▲2.901%⇒2月14日:予想▲2.874%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.779%から+0.095%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.995%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.128%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.305%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.625%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.348%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.765%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月11日:▲1.588%⇒2月14日予想▲1.543%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは小幅続落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.765%から▲0.222%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.636%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.840%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.955%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.260%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.551%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は上昇した一方で、株価は下落したものの前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%台半ばまでスプレッドは拡大推移したが、2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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