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イールドスプレッドで2月2日の米国株市場を先取り!

2022.02.02

 

★NY株式市場では、主要三指数ともに全て続伸する展開になった。良好な企業決算に加え、予想を上回った1月ISM製造業景況指数や12月JOLT求人件数を好感し、寄り付き後は上昇した。その後、ISM指数の支払価格の上昇を受け長期金利が上昇に転じると、売り圧力が強まり一時下落に転じる局面も見られた。しかし、全国34州でコロナ入院患者が減少したとの統計を受け、回復期待が強まり景気敏感株がけん引し再び上昇した。引けにかけて上げ幅を拡大し、一時300ドル超上昇した。個別ではゴールドマン・サックスやボーイング、ビザの上昇が目立った。一方、長期金利は、1月米ISM製造業景気指数はほぼ予想通りの結果となったものの、仕入価格指数が予想を大幅に上回ったことから債券売り(利回りは上昇)が強まった。米国株相場の上昇も相場の重石になった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が低下したうえ、主要三指数が下落したことで前日比で拡大する展開になった。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。米国株のVIX指数は24.83から21.96へ低下した。しかし、20を上回っていることで、リスク回避の動きは継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.278%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月31日:▲2.645%⇒2月1日:予想▲2.600%(前日比で縮小:割高)

 

2月1日のNYダウは続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.278%から▲0.678%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.626%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.502%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.941%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.417%下回った。NYダウは、エネルギー、金融、資本財などの景気敏感株が幅広く上昇したほか、ネットフリックスなどのハイテク株の一角も堅調だった。NYダウは一時、309ドル高まで上昇し、273.38ドル高(+0.78%)で終了した。前日まで大幅2日続伸したことで、前日終値を挟んでもみ合ったが、取引終盤に買いが強まった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・1月31日:▲2.826%⇒2月1日:予想▲2.785%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.779%から+0.006%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.084%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.217%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.394%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.714%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.437%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.766%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・1月31日:▲1.579%⇒2月1日予想▲1.544%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.766%から▲0.222%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.635%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.839%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.954%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.259%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.550%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も続伸したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%台半ばまでスプレッド縮小推移していることで、割高感が強まった。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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