フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

投資情報ナビ

イールドスプレッドで1月12日の米国株市場を先取り!

2022.01.12

 

★NY株式市場では、主要3指数は全てが反発する展開になった。上院銀行委の再任承認公聴会で、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が速やかな金融引き締めを強調するとの見方に金利が上昇し、警戒感に寄り付き後は大幅下落した。しかし、証言では、議長が段階的な引き締め軌道を示唆したため警戒感が後退した。金利も低下に転じたため買戻しに拍車がかかり、主要株式指数は上昇に転じた。また、米長期金利の上昇が一服し、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買い直しが広がった。一方、長期金利は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院銀行委員会での発言内容が『想定の範囲内』と受け止められ、金融引き締めへの警戒が和らぐと債券買い(利回りは低下)が進んだ。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利は低下した一方で、米国主要三指数が全て反発したことで、イールドスプレッドNYダウは前日比で拡大したものの、S&P500指数とナスダック総合指数は前日比でわずかに縮小した。

 

世界的にオミクロン変異株の感染拡大でも『流行が短期で終息する』との専門家の見解を好感された。しかし、世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、株価にとっては、ネガティブな材料となりやすい。一方、米国株のVIX指数は19.40から18.41へ低下した。前日比で低下したものの、VIX指数が20台付近で推移していることから、リスク回避の動きが強まりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.281%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月10日:▲2.676%⇒1月11日:予想▲2.679%(前日比で拡大:割安)

 

1月11日のNYダウは反発した一方で、米長期金利は低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.281%から▲0.602%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.547%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.423%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.862%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.338%下回った。NYダウは、米10年債利回りが1.75%を下回ったことで主力ハイテク株が続伸したほか、原油高を受けてエネルギー株も軒並み上昇した。注目されたパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の再任指名公聴会では、議長の発言が想定内と受け止められ、金融引き締めへの過度な警戒感が和らいだ。NYダウは朝方に300ドル近く下落したものの、パウエルFRB議長発言を受けて上昇し、183.15ドル高(+0.51%)とほぼ一日の高値で終了。5日ぶりの反発となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.779%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・1月10日:▲2.671%⇒1月11日:予想▲2.654%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.779%から▲0.125%と平均値より上方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.215%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.348%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.525%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.845%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.568%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.767%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・1月10日:▲1.355%⇒1月11日予想▲1.336%(前日比でわずかに縮小:割高)

 

NASDAQは大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.767%から▲0.431%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.843%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.047%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.162%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.467%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.758%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下一方で、株価が大幅反発したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.3%台前半でスプレッドが推移していることで割高感は継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

  • プライム情報・記事一覧
  • 経済カレンダー
  • 相場表

▲ PAGE TOP