フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

投資情報ナビ

イールドスプレッドで11月16日の米国株市場を先取り!

2021.11.16

 

★NY株式市場では、主要三指数が全て反落する展開になった。バイデン大統領の1兆ドル規模のインフラ投資法案成立や11月NY連銀製造業景気指数が予想以上に上昇したため景気回復ペース加速期待に寄り付き後は上昇した。同時に、インフラ法案の歳出がインフレのさらなる上昇に繋がるとの懸念に金利が上昇すると引けにかけて下落に転じた。米長期金利が上昇したことで、高PER(株価収益率)銘柄であるハイテク株の一角に売りが出た。半面、ドバイ航空ショーで航空機の受注が多数あったと発表したボーイングが5%超上昇し、相場を下支えした。一方、長期金利は、11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて、債券売り(利回りは上昇)が広がった。市場では『来週25日の感謝祭の祝日を控えて、流動性が低下する前に売りを進めた向きもあった』との声が聞かれた。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇してきていることから、割高感が出始めてきている。

 

世界的に感染拡大が縮小してきており、世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、株価にとっては、ネガティブな材料となりやすい。一方、米国株のVIX指数は16.29から16.49へ上昇した。VIX指数は20を下回っていることもあり、過度なリスク回避の動きにはつながっていない。しかし、インフレ高進警戒感から米長期金利が上昇しやすいことや株高も並行していることもあり、徐々に米国株式市場全般に割高感が浮上してきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.286%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月12日:▲2.952%⇒11月15日:予想▲2.898%(前日比で:割安)

 

11月15日のNYダウは小幅反落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.286%から▲0.388%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.328%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.204%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.643%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.119%下回った。NYダウは、先週の米10月消費者物価指数(CPI)が31年ぶりの強い結果となり、インフレ高進懸念が強まる中、米10年債利回りが1.6%台に上昇したことがハイテク・グロース株の上値を抑えたほか、今週のウォルマートやホーム・デポなどの小売り大手の決算発表を控えた様子見姿勢も強まった。NYダウは一時135ドル高まで上昇したものの、12.86ドル高(-0.04%)とほぼ横ばいで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.778%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・11月12日:▲2.811%⇒11月15日:予想▲2.755%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が小幅反落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.778%から▲0.023%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.114%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.247%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.424%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.744%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.467%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.771%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/10/21-1.342%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・11月12日:▲1.388%⇒11月15日予想▲1.334%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは小幅反落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.771%から▲0.437%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.845%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.049%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.164%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.469%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.760%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価が小幅反落したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.3%台前半まで縮小推移していることで割高感が強まっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

  • プライム情報・記事一覧
  • 経済カレンダー
  • 相場表

▲ PAGE TOP