★2021年1月4日を100%としてトルコリラ/円(赤線)、南アランド/円(青線)、メキシコペソ/円(緑線)を比較する。
また、アメリカの商品先物取引所等で売買されている商品価格から算出される国際商品先物指数であるCRB指数(黒線)の動向とも比較した。
まず、トルコリラ/円については、86.17%まで低下しており年初から▲13.83%下落している。トルコ中銀が9月の100bpの利下げに続き、昨日の金融政策会合で200bpの利下げをして政策金利を16.0%に引き下げた。そのため、マイナス金利が拡大したことからリラ売りに拍車がかかった。また、原油を輸入に頼っている同国にとって、リラ安と原油高がさらにインフレを高進させることになる。そのため、今後もマイナス金利幅が拡大するとの思惑も強く、リラを買い難くしている。
南アフリカとメキシコは資源国通貨でもあることから、CRB指数の上昇は両国通貨を下支えしやすい。ただ、CRB指数は年初来から141.38%へ上昇しているにも関わらず、南アランド/円は111.18%、メキシコペソ/円は109.07%の上昇に留まっている。これは、両国の内外情勢の不安定問題が上値を抑えている。ただ、CRB指数が上昇を続けている限りは、両通貨とも底堅い展開が予想される。そのため、CRB指数の動向も両通貨にとってのポイントになる。
CRB指数が強い動きになっている間は、南アランドとメキシコペソは安定的な動きになりやすく、押し目買い狙いの動きになりやすい。一方で、トルコリラについては、追加利下げの可能性も残っており、買いにくい展開が続きそうである。