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イールドスプレッドで8月31日の米国株市場を先取り!

2021.08.31

 

★NY株式市場では、NYダウは反落した一方で、S&P500とナスダック総合指数は続伸する展開になった。予想を下回った経済指標を嫌い、寄り付き後は下落した。終日軟調に推移したが、パウエル議長の講演を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が当面低金利を維持するとの期待が下値を支えた。米長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレスなど金融株が売られ、指数を押し下げた。半面、アップルやマイクロソフトなど高PER(株価収益率)の主力ハイテク株が買われ、相場を下支えした。一方、長期金利は、市場では『前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のハト派的な講演を消化する動きが続いた』との指摘があった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割高感は解消されてきている。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与が世界的に普及するなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を支えてきた。ところが、このところの米景気回復基調にピークアウト感が株価の下押し要因となりやすい。VIX指数は16.39から16.19へ低下した。VIX指数が20下回っていることで、相場は安定化してきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.291%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月27日:▲3.130%⇒8月30日:予想▲3.171%(前日比で拡大:割安)

 

8月30日のNYダウが反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.291%から▲0.120%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.055%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.931%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.370%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.846%下回った。NYダウは、ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が利上げに慎重な姿勢を示したことで安心感が広がる中、主力ハイテク株が軒並み上昇した一方、金融株やエネルギー株が下落した。NYダウは55.96ドル安(-0.16%)と小幅に反落した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・8月27日:▲3.064%⇒8月30日:予想▲3.078%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が続伸した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.774%から+0.304%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.791%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.924%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.101%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.421%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.144%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.775%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・8月27日:▲1.682%⇒8月30日予想▲1.688%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが続伸した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.775%から▲0.087%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.491%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.695%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.810%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.115%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.406%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下した一方で、株価は続伸したものの前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.6%台後半までスプレッドが拡大してきた。そのため、割高感はだいぶ薄れてきた。しかし、米長期金利の上昇やネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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