★ドル/円の日足では、週末に上昇基調から一転して急落したことで、短期SMAから中期SMAを下抜ける展開になった。また、7月2日高値111.65円を起点として7月26日高値110.58円を結んだトレンドライン(R1)の攻防となっており、上値が重くなっている。
7月米雇用統計が、6月に続き2ヵ月連続で100万人近くの雇用が増加、失業率も低下したほか、賃金も上昇、労働参加率も上昇するなど労働市場の強い回復を示す結果となった。さらに、8月も同様に強い結果となると、FRBが緩和縮小の条件としている最大雇用、物価安定の2つの目標に向けた一段の著しい手進展が達成でき、9月までに緩和縮小計画を発表する準備整うことになるとの思惑から、ドルの上昇基調が継続していた。
しかし、週末に発表された8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が70.2と7月の81.2から予想外に大幅に低下して、11年12月以降ほぼ10年ぶり低水準に落ち込んだ。また、バンデミックにより経済が封鎖した昨年4月来で最低となった。
そのため、米FRBによる早期のテーパリング観測が後退したことで、ドル売りに拍車がかかった。
R1と100日SMA(黒線)をわずかに下抜けしたことや、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)で高水準から%DがSlow%Dを下抜けかい離幅を広げて両線とも下向きになっていることから、ドル売り基調が強まる可能性がある。
夏季休暇シーズンで市場参加者が減少している中、大きな動きになるとロスカットや利益確定のリーブオーダーが次々に発動することで、さらに大きな動きになりやすい。そのため、過度な動きになりやすいので、この時期は注意が必要となる。