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イールドスプレッドで7月26日の米国株市場を先取り!

2021.07.24

 

★NY株式市場では、主要三指数ともに全て大幅上昇する展開になった。長期金利が再び上昇したため、新型コロナ流行再燃による景気回復鈍化への警戒感が後退して寄り付き後に上昇した。良好な企業決算も手伝い、終日堅調に推移した。来週に決算を控えているハイテク関連にも期待感から買いが向かい、主要株式指数は史上最高値を更新して引けた。NYダウが終値で3万5000ドルを超えるのは初めて。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。一方、長期金利は、来週27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。なお、7月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は予想を上回った一方、同サービス部門PMI速報値は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割高感は解消されてきている。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与が世界的に普及するなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を支えてきた。ところが、このところの米景気回復基調にピークアウト感が株価の下押し要因となりやすい。VIX指数は17.69から17.20へ低下した。VIX指数は再び20を下回る展開になっており、リスク回避の動きが後退して相場安定の動きになっている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.292%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月22日:▲3.047%⇒7月23日:予想▲3.021%(前日比で縮小:割高)

 

7月23日のNYダウが大幅反発した一方で、米長期金利はほぼ変わらなかったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.292%から▲0.271%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.205%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.081%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.520%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.996%下回った。NYダウは、景気回復の腰折れ懸念が和らぐ中、主力ハイテク株の好決算期待が強まった。週初19日に700ドル超下落したNYダウは4日続伸し、初めて終値で35000ドルを突破した。271ドル高まで上昇し、238.20ドル高(+0.68%)の35061.55ドルで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.771%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月22日:▲3.025%⇒7月23日:予想▲2.984%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は続伸した一方で、米長期金利はほぼ変わらずだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.771%から+0.213%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.885%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.018%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.195%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.515%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.238%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.776%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月22日:▲1.571%⇒7月23日予想▲1.545%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQが続伸した一方で、米長期金利はほぼ変わらずだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.776%から▲0.231%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.634%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.838%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.953%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.258%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.549%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利はほぼ変わらずだった一方で、株価は続伸したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%台半ばまでスプレッドが拡大してきた。そのため、割高感はだいぶ薄れてきた。しかし、米長期金利の上昇やネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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