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イールドスプレッドで7月16日の米国株市場を先取り!

2021.07.16

 

★NY株式市場では、NYダウは小幅続伸した一方で、S&P500指数とナスダック総合指数は小幅下落する展開になった。強弱まちまちの経済指標を受けて、寄り付き後はいったん下落した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委員会の証言で、緩和縮小の条件達成は程遠いとの見解を繰り返すと上昇に転じ、好材料が出た銘柄や好決算を発表した銘柄が買われ、指数を押し上げた。一方で、足もとで上昇が目立っていた主要ハイテク株が売られ、相場の重石となった。NYダウは序盤マイナス圏で推移し、一時170ドル超下げる場面があった。ハイテク株は利益確定売りが継続し、ナスダック総合指数は下落した。一方、長期金利は、金融緩和の早期縮小観測が後退する中、債券を買う(利回りは低下)動きが続いた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割高感は幾分解消されてきている。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与が世界的に普及するなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を支えてきた。ところが、このところの米景気回復基調にピークアウト感が株価の下押し要因となりやすい。VIX指数は16.33から17.01へ上昇した。VIX指数は上昇したものの、20を下回っていることから相場は安定している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.293%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月14日:▲2.933%⇒7月15日:予想▲2.973%(前日比で拡大:割安)

 

7月15日のNYダウが小幅反発した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.293%から▲0.320%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.253%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.129%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.568%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.044%下回った。NYダウは、市場予想を上回る決算発表が続いたものの、総じて利益確定売りが優勢の展開になった。NYダウは53.79ドル高(+0.15%)の34987.02ドルと小幅続伸して終了し、節目の35000ドルに迫った。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月14日:▲2.910%⇒7月15日:予想▲2.971%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は小幅反落した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.770%から+0.201%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.898%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.031%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.208%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.528%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.251%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.776%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月14日:▲1.507%⇒7月15日予想▲1.574%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQが続落したうえ、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.776%から▲0.202%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.605%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.809%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.924%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.229%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.520%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下した一うえ、株価も下落したことで前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%台後半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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