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イールドスプレッドで7月8日の米国株市場を先取り!

2021.07.08

 

★NY株式市場では、主要三指数全てが上昇する展開になった。景気回復の頭打ち感が台頭し、10年債利回りが4カ月ぶり低水準となると、警戒感から寄り付き後は下落した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)が公表する6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨待ちで、調整色が強まる中、押し目買いに上昇に転じた。議事要旨では特に警戒されていたようなタカ派色が強まらなかったため安心感が広がり買いが継続した。長期金利の低下でハイテク株の買いも続き、ナスダック総合指数は連日史上最高値を更新して終了した。一方、長期金利は、『米景気回復がピークアウトしつつある』との見方が広がる中、債券買い(利回りは低下)が優勢となった。市場では『空売りの持ち高を積み上げていた投資家の買い戻しが見られた』との指摘もあり、利回りは一時1.2946%前後と219日以来の低水準を付けた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与が世界的に普及するなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。米FRBが長期金利の上昇に懸念を示すまでは上昇基調が続く可能性があり、株価の下押し要因となりやすい。VIX指数は16.44から16.30へ上昇した。VIX指数は再び20を下回っていることで市場では過度なリスク回避の動きは後退している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.293%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・7月6日:▲2.960%⇒7月7日:予想▲2.980%(前日比で拡大:割安)

 

7月7日のNYダウが反発した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.293%から▲0.313%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.246%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.122%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.561%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.037%下回った。NYダウは、取引時間午後に公表されたFOMC議事要旨で資産購入の段階的縮小(テーパリング)の開始をさほど急ぐものではなかったことが明らかになった。長期金利が低下する中、景気回復ペースのピークアウトも意識されたことで、アップルなどのハイテク・ジャイアントへの資金流入が続いた。NYダウも104.42ドル高(+0.30%)と反発した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・7月6日:▲2.900%⇒7月7日:予想▲2.918%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は反発した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.770%から+0.148%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.951%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.084%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.261%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.581%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.304%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.777%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・7月6日:▲1.506%⇒7月7日予想▲1.539%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは小幅続伸した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.777%から▲0.238%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.640%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.844%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.959%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.264%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.555%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下した一方で、株価は小幅続伸したものの前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%台前半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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