★NY原油(赤線)の上昇とともに米国10年債金利(青線)と30年債金利(緑線)も上昇基調となっている。
ただ、昨日パウエル米連邦準備聖堂理事会(FRB)議長は国際通貨基金(IMF)の討論会で、『回復が不完全』と経済に慎重な姿勢を見せたため、当面、金融緩和策が維持されるとの見方が強まった。
米長期金利は低下基調になってきたが、その前にNY原油は3月5日にピークを打って下落基調になっていた。
そのため、原油価格の低下基調が続くようなら、米国の長期金利も低下傾向が続く可能性がある。
金融緩和策を継続していくには、出来るだけインフレを抑え込む必要がある。インフレ率上昇を抑えられないと、金融緩和から引き締めに動く必要が出てくる。インフレを抑え込むには、原油価格を下げることがポイントになる。
そのためにも、産油国の減産体制から増産緩和への転換が必要であり、サウジアラビアの協力が必要となる。
増産により原油価格が下落するようなら、米国長期金利も低下傾向となり米国株にもポジティブな材料となる。ただ、米長期金利の低下は、ドル安になりやすいという弊害もある。ドル安は米国内のインフレを上昇させることから、バイデン政権は強いドルを主張していくことになる。
よって、大規模な財政策によってドルの過剰流動性は続くが、バイデン政権下では政策面でドルを下支えする動きが継続されやすい。
NY原油安、米長期金利低下からドル/円(黒破線)の上値も重くなっている。