★南ア消費者物価指数(CPI)前年比は市場予想の3.0%を下回る2.9%になった。これは南ア準備銀行(SARB)のインフレ目標バンドの3-6%の下限を割り込む水準である。SARBは今週政策金利を据え置きを決定したが、トルコをはじめとする新興国が利上げをしているのに対して、南アの利上げはしばらく先になる可能性が高い。高金利通貨としてのうまみも他の新興国通貨と比較として薄くなっている。また、コモディティ価格の買い基調が弱まっていることや、株式市場も軟調に推移していることも南アランド売り要因となりやすい。
南アランド/円の日足では、下向きの5日SMA(赤線)7.3030円と10日SMA(黄線)7.3385円を下回り、両線がレジスタンスとして意識され上値を抑えている。一方、25日SMA(青線)7.2226円がサポートとして意識され下支えする展開になっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、高水準から%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きになっており、下押しバイアスが強いことを示している。
そのため、25日SMAを下抜けした場合は、今年に入ってから何度もサポートとして意識されてきた75日SMA(緑線)7.0677円が下値目処として意識される。
ただ、ダブルトップテックラインとなる3月8日安値6.975円を下抜けるとトレンド転換する可能性が高まる。
現在は5日SMAと10日SMAを上抜け出来るか、それとも25日SMAを下抜けするのか相場の節目になっている。ただ、下押しバイアスが強まっていることで、25日SMAを下抜ける可能性が高まっている。押し目買いは、75日SMA近辺からが目安となる。