★トルコ大統領による突然の中銀総裁解任に端を発したリラ売りは一服した感はあるものの、先週末は15.15円付近で引けたことを考えると、戻りの水準はまだかなり低いままである。イスタンブール株式市場の主要指数も9%超安で軟調なままである。また、信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)も、トルコ5年物国債CDSは先週末の300ベーシスポイント(bps)付近から一時470bpsまで高騰した。
テクニカル的には、トルコリラ/円は大きく戻り基調となったものの、100日SMA(黒線)の13.952円付近がレジスタンスとして意識され、押し戻される可能性が高くなっている。下向きになった5日SMA(赤線)や10日SMA(黄線)が先行きレジスタンスとなり下押しする可能性がある。
また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)でも、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きになってきていることで、しばらくは上値の重い展開となり下押しバイアスが強まる可能性がある。
カブジュオール新総裁は『中銀は高金利政策を進めるべきではない』という趣旨の論文を発表したとされている。また、エルドアン大統領と同じ考えである『利上げはインフレをもたらす』との意見も主張していた。今のところ、新総裁の下での次回会合は予定通り4月15日に開催されるが、緩和にむけた地ならしが行われることは充分に考えられ、トルコリラの重石になる。