★米10年物国債利回り(赤線)は、8月4日の0.507%が底値となり上昇基調が継続している。特に21年に入ると金利の上昇が加速しており、3月18日終値では1.7010%まで上昇している。
新興国(トルコ、南アフリカ、メキシコ)の10年債利回りの動向では、トルコの10年債利回り(青線)は中銀による2度の大幅な利上げが昨年実施されたことで、非常にボラティリティの高い状況となった。しかし、今年に入ってからは米10年債利回りの上昇と共に上昇基調が強まってきた。
南アフリカ(緑線)とメキシコ(黒破線)の10年債利回りは、米国10年債利回りとは連動せずに2国間で連動しながら上下に似たような変動となっていた。しかし、2月12日以降は米10年債利回りと同様の動きになっており、上昇基調が強まってきた。
米10年債利回りが上昇してきたことで、新興国の債券利回りも上昇基調が強まってきている。経済的な基盤の弱い新興国金利の上昇は、さらに景気を悪化させる負のリスクとなる。
そのため、米10年債利回りの上昇は、米国へのリスクよりも新興国に対する景気リスクが高まることを意味している。
3月19日10年債利回りの終値:米国:1.710%、トルコ:13.572%、南アフリカ:9.33%、メキシコ:6.264%