皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
こんにちは。助手のムサシです。
★ 【小次郎講師】 ★
本日のテーマは「人気のないところにエッジの発生する仕組み」。どうだ、難しいだろ?
☆ [ムサシ] ☆
難しいです。最近、講師、どSじゃないですか?
★ 【小次郎講師】 ★
どSなもんか。あわれな投資家を正しく導くために、心を鬼にして相場の本質を語っている。それだけだ。
【1、人の行く裏に道あり】
★ 【小次郎講師】 ★
ところでムサシ君、「人の行く裏に道あり花の山」、という相場格言を知っているかな?
☆ [ムサシ] ☆
聞いたことがありますが、どういう意味でしったけ?
★ 【小次郎講師】 ★
「他の人と同じことをやっていては勝てない。むしろ、他人と違うことをやった方が勝ちにつながる」、という教えだ。
☆ [ムサシ] ☆
なるほど。さぞ名のある相場の達人が作ったんでしょうね?
★ 【小次郎講師】 ★
実はこの歌、千利休(せんのりきゅう)の作だ。
☆ [ムサシ] ☆
千利休ってあの茶人の?
★ 【小次郎講師】 ★
そうだ。実はこの歌には下の句があって、「人の行く裏に道あり花の山、いずれを行くも散らぬ間に行け」という。
人の行く裏に道あり花の山、いずれを行くも散らぬ間に行け
千利休
☆ [ムサシ] ☆
では、相場の格言として作られた歌ではないんですね。
★ 【小次郎講師】 ★
だろうな。もし、本当に千利休の作だとしたら、後から相場格言にされたんだろう。「他人と逆のやり方をする方が成功につながる。しかし、どちらにせよ、利益確定はタイミングを逸してはいけない。」というような意味だと言われている。しかし、千利休はそんな意味で作ったのではないだろう。「花見客でごった返す人気の場所より、人目に付かぬ裏道を行った方が本当に美しい桜に出会える」という表の意味と、千利休は堺の商人でもあったわけで「他人がやらないことをやるほうが商売は成功につながる。ただし、スピードが大事だ」という商売人の極意を説いた裏の意味もあると言われている。
☆ [ムサシ] ☆
なるほど。
【2、大衆は負けるのか!?】
★ 【小次郎講師】 ★
「幽霊と相場は寂しい方に出る」とも言われる。この二つの格言は同じことを言っている。つまり、大衆は負けるということ。大衆の逆の投資行動を取ったものが勝つということ。わかるかな?
☆ [ムサシ] ☆
それはよく聞きますけど、理由を説明しろと言われると難しいです。
★ 【小次郎講師】 ★
では相場においては少数派の方が勝つということを実験で解説しよう。前提として、投資というのは市場にあるお金を、価格変動を利用して再配分するものだという認識をしっかりと持ってくれ。
☆ [ムサシ] ☆
再配分とは?
★ 【小次郎講師】 ★
要は、奪い合うってことだ。
☆ [ムサシ] ☆
市場にあるお金以上に儲けることは出来ないってことはここ数回、耳にたこができるくらい聞きました。ということは市場にあるお金を参加者で価格変動を利用しながら奪い合うってことはわからないでもないです。
【3、ダーツの賭け、ケース1】
★ 【小次郎講師】 ★
ではこれから実験をする。ムサシ君、次の賭けに参加してくれ。
【ダーツの賭け、ケース1】
・1人1万円を賭けてダーツで勝負をします。
・均等に分けられたABCDのゾーンのいずれかに賭けてください。
抽選で選ばれた1人がダーツを投げます。しかし、その時ダーツの的は高速で回転しており、どこかのゾーンを狙うことは不可能です。
・ダーツが当たったゾーンに賭けていた人たちで、全体の掛け金を均等に分配します。
・但し20%の確率でダーツが的に当たらないことがあります。この場合は賭け金は全て没収されます。
★ 【小次郎講師】 ★
この賭けに参加する人数は、計算しやすく100人としよう。100人が1万円ずつ用意して参加するので、市場には100万円のお金があることになる。つまり、この100万円を、ダーツを使って再分配するということ。これはトレードに似ている。
☆ [ムサシ] ☆
なるほど。
★ 【小次郎講師】 ★
さて、このダーツの勝負、AかBかCかDか、いずれかに賭ければエッジがあるだろうか?
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