皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
助手のムサシです。
★[小次郎講師]★
本日は「一般投資家は狙われやすい」という話。
☆[ムサシ]☆
そうなんですか?
【1、お金がある人が勝つのか?】
★[小次郎講師]★
トレードをしていると、下げ過程で、いずれ上がるだろうと予測しているのだが、お金が続かなくなって損切りせざるをえないなんて状況がよくある。
☆[ムサシ]☆
ありますね。
★[小次郎講師]★
すると結局投資というのはお金を持っている人が最後には勝つという気になる。
☆[ムサシ]☆
なりますなります。小額投資家は市場ではゴミのような存在でしょうから、やはり、勝つのはお金持ちだと。
★[小次郎講師]★
それは根本的に市場のことがわかっていない人の考え。市場で勝組になるには一般投資家、というか小額投資家の方がなりやすい。
☆[ムサシ]☆
そうなんですか?初耳です。
【2、ハント兄弟の教訓】
★[小次郎講師]★
ムサシ君はハント兄弟という投資家のことを聞いたことがないかい?
☆[ムサシ]☆
いえ、ありません。
★[小次郎講師]★
今から30年以上も前のこと。世界有数の石油王ハント兄弟というお金持ちがアメリカにいた。
☆[ムサシ]☆
世界有数の石油王ですか、それは凄い。
★[小次郎講師]★
リビア油田の開発に大きく関わったらしいが、全米サラブレッド協会から「伝説のオーナー」という称号をもらったり、アメリカンフットボールのチームを持っていたりとスケールが大きいお金持ちだ。
☆[ムサシ]☆
うらやましい。
★[小次郎講師]★
そのハント兄弟が1970年代後半、当時割安だった銀相場に目を付け、先物市場で買っていった。買って買って買いまくった。1979年には世界の銀を全て買い占める勢いで買いまくったそうだ。当然、銀価格は連日暴騰した。
☆[ムサシ]☆
やはりお金がある人はスケールが違いますね。そりゃ、世界中の銀を買い占めれば、銀価格を自由に動かせますね。
★[小次郎講師]★
世界中の人が感嘆の目で見ていた。そしてその結果どうなったか?
☆[ムサシ]☆
どうなったんですか。
★[小次郎講師]★
ハント兄弟は大損して破産した。
☆[ムサシ]☆
あちゃ。どうして。
★[小次郎講師]★
ハント兄弟は確かにお金を持っていた。しかし、相場を知らなかったのだ。
☆[ムサシ]☆
そうなんですか?
★[小次郎講師]★
資金さえあればそれだけで相場に勝てると思っていた。これが大間違い。資金にまかせて買いまくれば確かに相場は上がる。上がれば儲かったような気がする。しかし、それは計算上の利益にすぎないということに気がつかなかった。
☆[ムサシ]☆
でもいつでも利益確定出来るじゃないですか。
★[小次郎講師]★
だね。でも利益確定するためには市場に売り注文を出さなければいけない。そしてその売り注文が成立するためにはその価格で買ってくれる人がいなくてはならない。
☆[ムサシ]☆
そうですけど。
★[小次郎講師]★
確かに値段は急騰した。しかしそんな値段がついたのはハント兄弟が買っていたから。そのハント兄弟が売り注文を出しても、誰も買う人はいない。腕力で上げてきた相場のなので、少しの売り注文でも値段は暴落してしまう。それを抑えるにはさらに買い支えなければいけない。そのうち世界中から退蔵されていた銀まで出てきて、銀の価格は買っても買っても値下がりだした。そして最後には異常な相場に当局から規制が出て、数週間のうちに銀価格は80%以上も下落してしまった。
☆[ムサシ]☆
恐ろしい
…
…
…