皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
こんにちは。助手のムサシです。
★【小次郎講師】★
さて、前回から「投資リテラシー」について勉強しているが今回は非常に大切なテーマ「計算上の損益と決済して出た損益」に対する考え方だ。
☆【ムサシ】☆
なんか難しそうですね。
★【小次郎講師】★
日本人の投資家の99%が正しく理解していない。あるいはわかっちゃいるけど、正しい投資行動が出来ないという話だ。
☆【ムサシ】☆
それは興味深いですね。是非詳しく教えてください。
【1、計算上の損益と決済して出た損益】
★【小次郎講師】★
計算上の損益とは、未決済の注文の損益のこと。
☆【ムサシ】☆
たとえば株なら株で買ったまま持っていて、買値からいくら上昇しているとか、いくら下がっているとかいう話ですね。
★【小次郎講師】★
そういうこと。それに対して決済して出た損益とは、言葉どおり決済したときに発生する損益。
☆【ムサシ】☆
たとえば100万円分株を買って、今30万円損が出ている。それを持ったままだと計算上の損、決済して確定させたら実損というようなことですね。
★【小次郎講師】★
まあそういうことだが、ムサシ君のその発言の中に既に大きな誤解の芽が隠されている。
☆【ムサシ】☆
え、そうなんですか?びっくりです。どの部分ですか?
★【小次郎講師】★
決済して出てきた損を「実損」と表現しただろ?
☆【ムサシ】☆
はい。みんなそう言いますよ。
【計算上の損と決済した損のイメージ】
計算上の損・・・・途中経過=仮の損
決済した損・・・・実損=実際の損
★【小次郎講師】★
その言葉には上記のイメージが隠されている。決済して出てきた損は実際の損、決済するまでは途中経過、つまり仮の損。どちらも実際の損だということがわかっていない。
☆【ムサシ】☆
なるほど。
★【小次郎講師】★
日本人投資家の大半が損切りが苦手だ。損失が小さいうちは「ちょっと上がったらプラスになるのでそれを待ちたい」と言って損切りを先延ばしにし、そのうち損失が大きくなると、「マイナスが大きすぎるので決済が出来ない」などと言い出す。つまり損失が小さくても損失が大きくても損切りが出来ないのが日本人。
☆【ムサシ】☆
います、います、そういう投資家。わたしもそうかも・・・
★【小次郎講師】★
これらも計算上の損と決済して出た損は同じ損という投資リテラシーがないために生じる。
☆【ムサシ】☆
そうなんですね。
【2、塩漬け株を持ってはいけない】
★【小次郎講師】★
日本人投資家の大半が塩漬け株を持っている。しかし、塩漬け株を持つタイプの投資家が勝ち組になることは極めて困難だ。
☆【ムサシ】☆
そうなんですか?
★【小次郎講師】★
株式投資家と先物取引の投資家を比較して、自分で勉強して自分の判断で投資をするという条件付きだが、先物投資家の方が儲けている人が多い。これは先物取引には期限があるからではないかと私は思っている。
☆【ムサシ】☆
期限があるから?期限はないほうが有利だと思いますが。
★【小次郎講師】★
普通はそう思うよな?でも、期限がない取引は塩漬けになりやすい。
☆【ムサシ】☆
確かに。いつか上がると思い込みますからね。期限があれば塩漬けは不可能ですね。
★【小次郎講師】★
期限がないということと、いつか上がるということは全く別の話。日本人が投資で勝ち組になるにはコペルニクス的発想の転換が必要だ。
☆【ムサシ】☆
コペルニクス的発想の転換とは?
★【小次郎講師】★
日本人投資家、特に株式の投資家は、こういうやり方が正しい投資法だと思っている。ある株を買う。目標利益を決める。例えば今回は10万円儲けたいとか、30万円儲けたいとかね。そしてその価格が来たら決済。買って、もし下がったら上がるまで待つ。
☆【ムサシ】☆
なるほど、下がったら塩漬けにして上がったら適当なところで利益確定という方法ですね。確かにそういう投資家は多いと思いますが、それのどこが悪いんですか?期限がないんですから、それだけプラスになるチャンスがあると思うんですが。
★【小次郎講師】★
それがわかっていない。このコラムを読んでいる読者の方にも問いたい。塩漬け株を持つタイプの投資家は安定的な勝ち組には絶対になれない。それにも関わらず何故塩漬け株を持ってしまうのか?それは「上がったら適当なところで利益確定、下がったら上がるまで待つ」という投資スタイルがとんでもなく間違っているということを知らないからだ。読者の皆さん、この投資法が最悪の投資法だということ気がついてるかな?
☆【ムサシ】☆
さ、最悪の投資法、そこまでですか?それがどうして悪いのか、いまいちよくわかりませんん。
★【小次郎講師】★
では質問を変える。ここにAとBと2つの会社があり、その株を今、持っていると思ってほしい。
☆【ムサシ】☆
A社の株とB社の株ですね。
★【小次郎講師】★
A社は将来有望な業界の将来有望な会社。社長は優秀で社員は皆やる気がある。今後どれだけ収益が拡大するかわからない人気銘柄。
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