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【第155回】投資の基本「板読み」その3

2018.05.11

 

皆さん、こんにちは、小次郎講師です。

 

 

こんにちは。助手のムサシです。

 

★【小次郎講師】★
さて、今回も「板読み」の話の続き

☆【ムサシ】☆ 
だんだん面白くなってきました。

【1、板には成行注文はない】

★【小次郎講師】★
板から読み取れる情報を知れば、板読みでどんなことが出来るか、どんなことが出来ないかがわかる。

☆【ムサシ】☆ 
なるほど。

★【小次郎講師】★
まず、板にあるのは指値注文のみということ。ここが板読みの限界。ディフェンスはわかるがオフェンスはわからない。価格を動かすのが成行注文だとすると成行注文の情報は板にはない。

☆【ムサシ】☆ 
成行注文の情報は板に出てこないんですね。でも私が見ている板では成行注文という欄があるんですけど。

★【小次郎講師】★
では正確にお話しよう。板寄せという値決め方法があるね?

☆【ムサシ】☆ 
1日の取引のスタート時と終わり、中断時と中断再開時に行われる価格決定法ですね。

★【小次郎講師】★
そういうこと。株で言えば、前場の寄り付き、前場の引け、後場の寄り付き、後場の引けで板寄せが行われる。

☆【ムサシ】☆ 
後、サーキットブレイク時にもでしたね。

★【小次郎講師】★
株式はS高(ストップ高)S安(ストップ安)があるので、サーキットプレイクはない。サーキットブレイクがあるのはS高S安がない銘柄、日経225先物や商品先物で行われる。

☆【ムサシ】☆ 
勘違いしてました。

★【小次郎講師】★
さて、この板寄せでは全ての注文を集めて、最大公約数のひとつの価格を決定する。だから、成行注文が売り買いそれぞれどれくらいあるかはとても重要な情報。だから、板寄せ時には成行の買い注文枚数、売り注文枚数が表示される。

☆【ムサシ】☆ 
なるほど。

★【小次郎講師】★
ところで板寄せが終わればすぐザラバに移行する。1日の市場の中ではザラバの時間帯が圧倒的に多い。

☆【ムサシ】☆ 
でしょうね。

★【小次郎講師】★
ザラバでは未成立で残っている成行注文はないと教えてた。

☆【ムサシ】☆ 
確か、前回聞いたような。

★【小次郎講師】★
復習をしておくように。ザラバでは1件1件注文を処理していく。指値注文ならその時点では未成立で板に残るという状況が起こる。

☆【ムサシ】☆ 
800円の指値で買い注文を千株出し、現在の価格が810円などというときですね。この価格では成立しません。また指値には価格を動かす力はないので、800円のところに指値の買い注文が千株増えるということになります。合ってます?

★【小次郎講師】★
合ってる合ってる。ところで、成行注文はどんな値段でも買う(あるいは売る)という注文。ということは、今の価格で成立しなければ価格をどんどん切り上げていって高い売り指値とマッチングしていく。そして基本として全量約定するので、未決済で残っているものはない。

☆【ムサシ】☆ 
基本として全量約定すると言いましたが、ときに全量約定しないことがありますね?例えば10万株の成行の売り注文を出したのだけど、指値の買い注文は全部合わせても9万株しかないというとき、1万株が未成立で残ります。それは板に書いておかないんですか?

★【小次郎講師】★
成行注文は未成立では残らない。教えなかったかな?

☆【ムサシ】☆ 
教わりました。でも、・・・・未成立のものはどうなるんですか?

★【小次郎講師】★
先ほど、ムサシ君が言った例で説明しよう。10万株の成行買い注文を出したとする。ところが売り指値は全部合わせても9万株しかなかったとする。するとその9万株の指値が成立して、残った1万株の成行注文はその時点で失効する。

☆【ムサシ】☆ 
失効ってなんですか?言葉が難しい。

★【小次郎講師】★
キャンセルって言えばいいかな。その時点で消滅するのだよ。だから、成行注文は未決済で板に残るということがない。

☆【ムサシ】☆ 
そうなんですね。ようやくわかりました。

★【小次郎講師】★
とすると板の限界が見えてくる。板には成行注文は出てこない。そして価格を動かすのは成行注文。今後成行注文がどれくらい出てくるかは板を見ていてもわからない。とすると板は万能ではない。

☆【ムサシ】☆ 
ちょっとがっくりです。

★【小次郎講師】★
でも板を見ることにはとても重要な意味がある。それはこれから成行の買い注文を出したとき、あるいは売り注文を出したとき、どの価格で成立するかが想像出来るという点にある。



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