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なぜ中央銀行は「金」を爆買いするのか?ドル依存からの脱却と2026年の展望

2026.05.26

近年、金(ゴールド)価格は歴史的な上昇を記録し、投資家の注目を集め続けています。この強気相場を足元で支えているのは、個人投資家やヘッジファンドの投機的な資金だけではありません。

その背後にいるのは、各国の通貨政策を司る「中央銀行(公的部門)」という巨大なクジラ(買い手)です。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータによると、世界の中央銀行は2025年もネットベース(純購入)で買い越しを継続し、記録上最長となる16年連続の買い越しを達成しました。2025年通年の純購入量は863トンに達し、過去10年間の平均を大きく上回る高水準を維持しています。

なぜ今、世界の中央銀行はこれほどまでに金を求めているのでしょうか?その裏にある3つの動機と、今後の市場への影響を解説します。

① 「脱ドル化(De-dollarization)」の加速

中央銀行が金を買い続ける最大の動機が、外貨準備における「米ドルへの過度な依存からの脱却(脱ドル化)」です。

伝統的に、各国の中央銀行は「米国債」を安全資産として大量に保有してきました。しかし、ロシアに対する経済制裁(ドル決済網からの排除や資産凍結)をきっかけに、非欧米圏の新興国を中心に「ドルだけに依存するリスク」が強く意識されるようになりました。

金は、特定の国(発行体)の信用に依存しない「カウンターパーティリスクゼロ」の資産です。中央銀行にとって、いざという時に他国から凍結されたり没収されたりする恐れがない金は、経済的・政治的リスクに対する究極のシェルターとなっています。

② 激化する地政学的リスクと貿易摩擦

第2の理由は、世界中で絶えない地政学的リスクの高まりです。

米国の政権交代に伴う貿易摩擦の再燃、終わり見えぬ中東情勢やウクライナへの軍事侵攻など、国際社会の緊張は2026年現在も続いています。市場の不透明感やグローバルサプライチェーンの分断は、各国通貨の価値を不安定にさせます。

このような「有事」の局面において、購買力を維持し、国家の財政基盤を防御するための防衛策として、金が選ばれています。

③ 2026年の主要プレイヤーと、変化する動向

これまでは中国人民銀行(PBoC)やインド準備銀行(RBI)といったアジアの新興国中銀が買い手を主導してきました。それに加え、最近では東欧のポーランド国立銀行が「外貨準備に占める金の割合を30%以上」に引き上げる明確な目標を掲げ、急速な積み増しを行うなど、欧州側でも動きが活発化しています。

金価格が高値圏にあるため、一時的に購入ペースを緩めたり、国内の財政補填や通貨防衛のために一部売却(スワップなど)を迫られたりする国もありますが、「中長期的に金の保有比率を増やしたい」という中央銀行全体のスタンスにはブレがありません。

まとめ:中長期的な「下値の硬さ」を保証する構造的要因

中央銀行による金購入は、金利の動向や目先のチャートで一喜一憂する投機資金とは異なり、5年・10年といったスパンで動く「国家の戦略的需要」です。

2026年の見通しとしても、中銀による買いが金市場に強力な価格下限(フロア)を提供し続けるとみられています。

私たち個人投資家にとっても、中央銀行のこうした「ドルから金へのシフト」という巨大なマクロ潮流を理解しておくことは、長期的な資産防衛(インフレヘッジ)のポートフォリオを組む上で、非常に重要な指針となるでしょう。


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【基礎記事】
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デジタル・ゴールド対リアル・ゴールド
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