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どの程度のエネルギーショックを想定すべきか

2026.03.17


皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。

俗にいう「オイルショック」は、1973年、第四次中東戦争を機に起きた第1次オイルショックと、1979年、イラン革命を機に起きた第2次オイルショックのことを指します。

第1次オイルショック
1973年10月〜1977年3月(3年5か月)
第2次オイルショック
1979年1月〜1983年3月(4年2か月)

過去のオイルショックを振り返って

次のグラフは、WTI原油の値動きをトレーディングビューのチャートで表示させたものです。

WTI原油(第1次オイルショック期)

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート)

1973年に起きた第四次中東戦争が第1次オイルショック期を招いたきっかけです。
第四次中東戦争は、アラブ諸国(エジプトとシリア)とイスラエルの間で起きた争いです。
ことの発端は、1967年に起きた第三次中東戦争でした。第三次中東戦争は、イスラエルがエジプトに侵攻し、わずか6日間でシナイ半島、ガザ地区、ゴラン高原などを占領した戦争です。
この戦争で奪われた土地(シナイ半島やゴラン高原など)の奪還するため、エジプト・シリア両軍がイスラエル軍を攻撃したのが第四次中東戦争の始まりです。この戦争で苦戦したイスラエルは、アメリカから武器支援を受けており、それへの反発から親イスラエル国に対して、石油禁輸措置が実施され、第1次オイルショックを引き起こしたとされています。

第1次オイルショック前、4.31ドル/バレルだったものが、2か月後には10.11ドル/バレルまで一気に上昇し、その後も高値を維持したままで推移し、1976年には13.90ドル/バレルまで上昇しました。石油価格は、単純計算で3.11倍上昇しました。

WTI原油(第2次オイルショック期)

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート)

第2次オイルショックは、1978年に起きたイラン革命がきっかけでした。
革命の混乱によって、イランの原油生産量が激減したため、石油価格が上昇しました。
1980年から1988年まで続いたイラン・イラク戦争も石油供給に大きく影響しています。

第2次オイルショック前、14.85ドル/バレルだったものが、1980年3月には、39.50ドル/バレルまで上昇。その後も高値を維持しました。オイルショックが終了した時点の価格は、29.29ドル/バレルでした。

2回のオイルショックをまとめて確認します。

WTI原油(オイルショック期)

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート)

注目してほしいのが、オイルショックが終わった後の値動きです。
第1次が終了した「1977年3月」と、第2次が終了した「1983年3月」。その後の値動きをみると、値下がりしていないことが確認できます。一度値上がりしてしまった石油価格は、何年も高止まりする傾向が確認できます。
また、オイルショック前と比較すると、4.31ドル/バレルだった原油価格は1980年には39.50ドル/バレルまで上昇しています。7年間で価格は9倍以上になりました。

それ以外の時期はどうだったのか?

オイルショック以外の時期で、価格が急激に上昇した局面についても確認します。
特徴的だったのが、1990年に起きた湾岸戦争時の価格変動でした。

WTI原油(湾岸戦争期)

(出所:TradingViewによるWTI原油チャート)
湾岸戦争は、1990年8月にイラクがクウェートに侵攻したことを発端とした戦争です。
イラクがクウェートに侵攻した際、わずか6時間でクウェート全土を制圧してしまったことや、翌年に多国籍軍とイラクとの争いで、アラブ諸国が多国籍軍側だったこともあり、石油価格の上昇が長期化しませんでした。

オイルショックと湾岸戦争を比べて

どちらも産油国での争いごとがきっかけなのですが、大きな違いを考察してみると2つの違いが見えてきます。

1.争いの長さ
 争いが長期化すると、エネルギー供給が滞る期間が長くなるため、価格は高止まりしやすくなりますが、短期で終了すれば、供給量はすぐに回復するため、価格も元の価格帯に戻りやすくなります。

2.産油国の立場
 中東産油国が、親アメリカ的立場なのかそれとも反アメリカ的立場なのかで供給に影響してきます。湾岸戦争の際、サウジアラビアなどのアラブ諸国が多国籍軍側だったことは、エネルギー供給に問題が生じなかった要因だと考えられます。

まとめ

イラン情勢の影響から、ホルムズ海峡の問題など、エネルギー供給の不透明さが問題になっていますが、イランは周辺12か国に対してドローン攻撃を行ったと発表していますので、サウジアラビアなどのアラブ諸国は、反イランの立場になりやすいのかもしれません。

問題は短期間で終結するのか。それとも長期化してしまうのかです。

短期で問題が解決するのであれば、原油価格は元の水準に戻る可能性が高まりますが、長期化した際、何年も高い状態が続く可能性があります。過去のオイルショックでは、原油価格は9倍以上に上昇しましたので、今回の問題が泥沼化すれば、問題発生前の約60ドル/バレルだった原油価格が何倍にもなってしまうかもしれません。

エネルギー価格の高止まりが想定外にならないよう備えておく必要がありそうです。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。


参考文献:
第四次中東戦争-Wikipedia
イラン革命-Wikipedia
イランへの攻撃に伴う注意喚起(外務省)
イランが周辺12か国を攻撃 米軍が発表 「容認できない行為であり必ず報復を行う」 ミサイルやドローンで民家やホテルなどを攻撃-TBS

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